雑草で埋め尽くされた鴻臚館跡

IMG_3792.jpg

IMG_3785.jpg

DSCF3716.jpg

 福岡城址の舞鶴公園を歩いていて、少し呆れる風景に出くわした。芝生広場化されていたはずの鴻臚館跡がセイタカアワダチソウなどの雑草で完全に埋め尽くされ、散策など到底不可能な状態となっていたのだ。夏だから雑草が生い茂るのは当然だが、鴻臚館跡があるのは福岡城址のど真ん中だ。福岡市は今なお『軍師官兵衛』に乗じて城址に内外の観光客を呼び込もうという魂胆のようだが、だったらこの光景はあまりにみっともないのではないだろうか。

 この場所が芝生広場化されたのは4年前の2011年7月で、オープン前にはこのブログでも
「鴻臚館跡、ようやく一部開放へ」というタイトルで取り上げている。3枚目の写真はその際に撮影したもので、1、2枚目が現在の状態。見比べると、どれだけ荒れ果ててしまったか良くわかる。

 芝生広場には、鴻臚館発掘調査で確認された建物跡がゴムチップで示され、また、当時の地形もわかるように整備されていた。このために約2,800万円がかかったと聞いている。今となっては“2,800万円の雑草地”。他の自治体で、巨額の費用を投じて造った港に船が寄港せず、“100億円の釣り堀”と呼ばれているという話を聞いたことがある。これに比べれば、スケールは小さい。だが、どちらにしても税金の無駄遣いであることには違いない。

 鴻臚館跡からは少し離れているが、同じ舞鶴公園内でいま、妙な取り組みが行われている。ヒツジやヤギを囲いの中に放し、雑草を食べてもらうことで除草を図ろうという試みだ。実際に現地を見てきたところ、子供たちが周囲から雑草を取ってきてヒツジやヤギに餌として与えていた。除草実験と言うより、むしろミニ動物園といった雰囲気だったが、いっそのこと鴻臚館跡でもヒツジやヤギの力でも借りたらどうだろうか。セイタカアワダチソウは食べないとは思うが。


IMG_3763.jpg
スポンサーサイト
[Edit]
Theme: 福岡 | Genre: 地域情報

平和のための戦争展

IMG_3734.jpg

IMG_3755.jpg

 福岡市中央区天神のアクロス福岡で開催されている「平和のための戦争展ふくおか2015」を見てきた。会場には広島・長崎への原爆投下や福岡大空襲の記録写真をはじめ、沖縄の米軍基地、集団的自衛権、原発再稼働への反対を訴える資料約300点が展示され、思いのほか多くの来場者でにぎわっていた。ただ、その多くは私と同じ中高年齢者で、若い人は少なかった。

 「平和のための戦争展」はずいぶん以前から毎年この時期に開かれているはずだが、今年は例年になく注目を集めているらしい。昨年まで3年連続で後援していた福岡市が「特定の主義・主張に立脚している」として突如として今年の後援を拒んだことから主催者側が強く反発、この騒動を複数の地元マスコミが取り上げたためだ。

 ただ、後援と言っても金は全く絡まない名義後援で、これが得られないことによるデメリットは「公民館などの市の施設にチラシを置けない」という程度のものらしい。要するにPR活動に支障が出たわけだが、現実には騒動になったことで関心を呼び、戦争展開幕を伝えた19日の西日本新聞記事によると、初日の来場者は例年の倍以上の383人に上ったという。失礼ながら、私のように野次馬気分で会場をのぞいた人も中にはいたことだろう。

 福岡市が今年に限って後援を拒んだのは、安保法制や原発に絡んで“反・安倍政権”の色合いが極めて強かったためだと報道されている。8月4日の西日本新聞は「特定の主義・主張とは何かを決めるのが、時の担当者の裁量に任されているのはよくない」という識者の談話を交え、批判的に報じていたが、私は後援拒否を決めたのは、担当者レベルなどではなく、安倍首相と懇意とされる高島市長自身ではないかと思う。仮にそうではなくとも、担当者が市長の意を慮り、例年と違った判断をしたのではないだろうか。

 戦争展の主催者は「平和のための戦争展ふくおか」を成功させる会という団体だが、運営団体一覧には日中友好協会福岡支部、福岡医療団、福岡地区労働組合総連合、新日本婦人の会福岡県本部などが並ぶ。地元マスコミの報道では、このあたりの情報が全く省かれていたが、いわゆる共産党系の組織ばかり。後援拒否に対し「許されない」といち早く反応したのも共産党市議団だった。日頃から共産党に叩かれてばかりの市長が、共産党色の強い催しに思い切りノーを出し、溜飲を下げただけの話ではないかという気もする。蛇足だが、戦争絡みの展示は見慣れた写真ばかりだった。
[Edit]
Theme: 福岡 | Genre: 地域情報

壊されたサザエさん

IMG_3731.jpg

IMG_1069.jpg

 福岡市早良区のシーサイドももちに設置されていたサザエさんのシルエット像が1か月前、何者かに足元から折られる被害に遭った。像は4体あったが、現在はタラちゃん以下、子供3体分が残るだけ(写真1枚目)。在りし日を知らなければ、それほど違和感はないが、像が序幕された当日の今年3月25日に撮影した2枚目の写真と見比べると、物寂しさを感じ、何となく情けなくなってくる。

 像は「サザエさん通り」の案内標識とともに、地元の早良区が設置した。アルミ製で、サザエさん像の重さは18㌔程あったらしい。結構な重さなので、ひょっとしたら金属泥棒に狙われたのではないかとも想像したが、倒されたまま放置されていたというから、やはり壊すことだけが目的だったのだろう。こういった行為を「悪質ないたずら」と表現するケースがあるが、いたずらというかわいい言葉を使っては犯罪行為の本質が見えなくなると思う。

 銅像やモニュメントが壊される事件は福岡でなくとも結構起きている。例えば、鳥取県境港市で過去、水木しげるロードに飾られた『ゲゲゲの鬼太郎』や妖怪の像が度々盗まれたり、壊されたりしたほか、同じ鳥取県の北栄町では『名探偵コナン』登場人物の像が繰り返し壊されている。また、東京・葛飾区では『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の麗子像が曲げられ、本家「サザエさん通り」の世田谷区桜新町では波平さんの髪の毛が何度もなくなっている。ざっと調べた限りで、アニメ絡みだけでもこれだけあった。アニメで地域おこしを図るところが多いことにも驚いたが。

 シーサイドももちのケースでは早良区が地元の早良警察署に被害届を出し、警察は器物損壊事件として捜査しているという。ただ、事件への注目度はともかく、警察の事案としてはあまり優先度が高いとは思えない器物損壊なので、捜査にどの程度力が入るものだろうか。上に挙げたケースで容疑者が捕まったという話はほとんど聞いたことがない。刑事罰も損害賠償請求も受けないままだから、当人たちにとっては面白おかしい武勇伝で終わっているのだろう。
[Edit]
Theme: 福岡 | Genre: 地域情報

子供の頃に通った二日市温泉

IMG_3655.jpg

 先日、山歩きの帰りに筑紫野市の二日市温泉に立ち寄り、「博多湯」という源泉掛け流しの温泉で汗を流してきた。小学校低学年だった昭和40年代、近隣の風呂なしアパートに住み、この辺りの銭湯にも通っていた記憶がある。まさか同じ風呂屋ではないだろうと思ったが、帰宅後に調べてみると、「博多湯」は万延元年(1860年)の創業。昭和どころか江戸時代末期から続く老舗で、子供時代の私が浸かっていたのも、やはりこの湯だったようだ。

 私が住んでいたのは二日市の中心商店街近くで、普段通っていたのは徒歩数分の場所にあった別の銭湯。ここの定休日に少し離れた「博多湯」まで足を延ばしていた。当時、子供の入浴料金は10円程だっただろうか。

 今でも覚えていることがある。確か夏休みで、暇をもてあましていたのだろう。友達と2人で昼間から二日市温泉に行き、湯船の中で風呂桶を二つ重ね合わせ、浮輪代わりにして遊んでいた。私たちの他に中年男性がくつろいでおり、当然ながら大目玉を食らったのだが、男性は私たちを叱った後、「桶の間に濡れたタオルを挟めば湯が入らず、浮くぞ」と教えてくれたのだ。その通りにすると、本当に浮いた。私たちは大喜びでさらに騒ぎ出したのだが、男性は不思議にもその後は何も言わなかった。

 「博多湯」の現在の入浴料金は大人300円。休憩室は無料で利用でき、非常にお得だ。近年に改装したらしく、建物はまだ新しかった。温泉をプール代わりに使うバカな子供など今はいないことだろう。

 以前、知り合いになった別府在住の人から「内風呂に入るのは台風の時ぐらい」と聞いたことがある。湯の街・別府には数多くの共同浴場があり、住民たちは老若男女、毎日温泉に入って疲れを癒やしているのだとか。羨ましくて仕方がなかったが、よくよく考えてみれば、私も子供時代は似たような環境にいた。ただ、当時はその価値がわからず、自宅に風呂のある生活が憧れだった。
[Edit]
Theme: 福岡 | Genre: 地域情報

空気まで中国産?



IMG_3713.jpg

 低山ながら眺めが評判の三日月山(272㍍)、立花山(367㍍)に8月5日、登ってきた。しかし、山頂から見た福岡市街地は残念ながら白く霞んでいた。PM2.5の濃度が高いのだろうと思い、うんざりした気分になったが、帰宅後に調べて見ると、測定値は意外に低かった。両山の麓に当たる東区香椎の午後の数値は30μg/m3前後で、環境基準35μg/m3以下。水蒸気からなる普通のモヤだったようだ。(写真1枚目が三日月山山頂、2枚目が立花山山頂から見た市街地)

 もっとも、視界が悪いのはPM2.5が原因と思ったのは私だけではなく、立花山山頂にいた別の登山者たちも「きょうはPM2.5がひどいな」といった会話を交わしていた。“白いモヤ=PM2.5”が福岡都市圏住民の共通認識になっているのだろう。

 実際、最高で140μg/m3もの高濃度のPM2.5に見舞われた今年の3月22日、福岡市は街全体が真っ白なモヤに覆われ、ひどい状態だった。言うまでもなく中国からの越境汚染が原因で、黄砂とともにPM2.5濃度の高い気塊が九州北部を襲ったのだという。

 PM2.5騒動が始まったのは2013年と記憶しているが、それから2年がたち、少々濃度が高くても鈍感になり始めていた。しかし、あの濃霧同然の猛烈な状況はさすがに衝撃だった。行政や専門家などはよく「冷静な対応を」と呼び掛けているが、さすがに3月22日ばかりは度を失い、金もないのにプラズマ何とかの空気清浄機を買おうかと思った程だ。結局買わなかったが…。

 危険性が喧伝される中国産食品は極力買わないようにしているが、日本で加工しているが原材料は中国産というケースも少なくないらしく、なかなか現実には難しい。そのうえ空気まで中国産の汚染物質混じりでは、もはや一般人の手には負えない。
[Edit]
Theme: 福岡 | Genre: 地域情報

初めて知った天拝湖の正体

IMG_3648.jpg

IMG_3636.jpg

 基山(佐賀県基山町・福岡県筑紫野市)から天拝山(筑紫野市)まで、九州自然歩道をたどって縦走し、二日市温泉でひとっ風呂浴びて帰ってきた。猛暑の中、十数㌔を歩き、さすがに途中でばてて、天拝山南側の天拝湖畔で休憩した。風光明媚な湖で、筑紫野市民の憩いの場であることは聞いていたが、初めて現地に行き、この湖が「山口調整池」であることに気付いた。

 人口250万人に上る福岡都市圏だが、域内には大河川が存在しないため、遠く筑後川から水をもらい、飲み水の一部を賄っている。いわゆる福岡導水で、1日に都市圏に送られてくる筑後川の水は約18万㌧。山口調整池とは、送水管が壊れるなどの緊急事態に備え、筑後川の水を一時的に貯めておくための人工湖だ。有効貯水量は約390万立方㍍で、福岡市のダムの中で比較すると、脊振ダムとほぼ同じ。要するにダム1個分もの大量の水がここには貯えられている。1994年に起きた2度目の福岡大渇水を受け、水資源公団(現在は水資源機構)が370億円を投じて建設、98年に完成したという。

 94年以降、福岡都市圏は幸いにして大きな渇水には襲われていないが、2002年冬には寸前の危機に陥り、また、故障で短期間ながら福岡導水が止まったこともある。その度に山口調整池がショートリリーフ的な役割を担い、ニュースでその名を度々耳にしてきた。しかし、その場所を正確に把握していなかったため、長らく天拝湖と同一だとは知らなかった。相当うかつな話だ。

 湖畔には「兎ヶ原水没記念碑」と刻まれた大きな石碑があった。兎ヶ原(うさぎがはる)とは、この場所にあった集落の名前で、調整池建設により、宅地や農地、山林など60㌶が水没し、26世帯が移転を強いられたという。兎ヶ原の名は、現在も川や林道の名前に残っている。名前通り、かつてはこの場所を野ウサギが駆け回っていたのだろうか。

IMG_3616.jpg

 基山山頂へは筑紫野市のJR原田駅から滝行場、基肄城跡の礎石群を経由するルートを選んだ。基山には5月にも登り、山城跡を巡ったが、この時と比べて山頂には夏草が生い茂り、休憩所は壊れたのか立ち入り禁止の状態だった。
 
IMG_3622.jpg

 5月には基山下山の際に道を間違い、縦走路の九州自然歩道に入り損ねたため、今回は慎重に草スキー場を下った。低山とは言え、真夏の猛暑の中を縦走している人はさすがにゼロ。自然歩道では誰一人出会わなかった。
[Edit]
Theme: 福岡 | Genre: 地域情報