博多で人気だったメア氏

旧聞に属する話2011-領事館標識

 沖縄県民を侮辱する発言をしていたことが明らかになり、猛烈な反発を浴びている米国務省のケビン・メア氏は福岡アメリカ領事館の主席領事を務めていたことがある。在任期間は2001年7月までの3年間で、福岡時代は「青い目の山笠(やま)のぼせ」として有名だった人だ。

 山笠のぼせとは、福岡を代表する祭り博多祇園山笠に熱中する人のことを言い、メア氏は毎年祭り期間中、締め込み姿で博多っ子と一緒に「オイサ、オイサ」と山笠を担いでいた。離任の年も、祭りのフィナーレ追い山(7月15日早朝にある)までしっかり参加し、翌7月16日に後任と交代したという伝説を残している。本来は4月で離任の予定だったが、「最後まで山笠に参加させろ」とわがままを通し、後任を3か月半ワシントンに待たせたという話も福岡では伝わっている。

 山笠の中で「集団山見せ」という観光色の強い行事があるのだが、この際は福岡の知名士が台上がり(山笠の上に乗って担ぎ手を指揮すること)する習わしだ。締め込み姿を嫌がらない領事が参加することも多いが、山笠の自治組織・流(ながれ)の中に飛び込み、自ら山笠を担いだ人は珍しい。歴代領事の中では圧倒的に人気があった人だと思う。だからこそ、今回のメア氏の発言を残念に思っている福岡市民、とりわけ山笠仲間は多いに違いない。

 メア氏の日本部長更迭が伝えられた10日夕、中央区の大濠公園そばにあるアメリカ領事館に行ってみた。この問題があったためか、普段以上に物々しい警戒ぶりで、領事館に向けてカメラを構えると、制服警官が寄ってきて、言葉は丁寧ながら撮影データの削除を要請された。予想通りだったので、素直に従った。標識などをカット写真に使っているのはそのためである。
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