風レンズ風車

旧聞に属する話2011-風車

旧聞に属する話2011-風車2

 福岡市早良区百道浜の海浜公園で1年半ほど前から、風力発電用の風車3基が回っている。「風レンズ風車」という名前で、姿形は少し変わっている。ブレードがむき出しではなく、周囲にカバーが取り付けられているのだ。微風でも効率的に発電できるよう、このカバーで風を集める仕組みらしい。開発したのは地元・九州大の研究グループだ。

 1基当たりの定格出力は3kW。生み出された電力は、海浜公園の一部照明や、レストハウスに置かれた携帯電話の充電器に活用されている。充電器の利用は無料だ。実証実験のための施設だから、発電量も活用法もささやかなものだが、九大側は最終的には、超大型風車を洋上に多数並べた大規模発電施設の建設を構想しているという。

 風力発電事業に対しては、事業仕分けで補助金が大幅に削減されるなど、明らかに逆風が吹いていた。しかし、不幸にして福島第一原発で事故が起き、原発の存続に黄信号がともった。少なくとも新設については極めて厳しい状況になったと言えるのではないか。

 この状況の中で、国内の電力需要を将来にわたって賄うことを考えれば、風力発電への注目度がこれまで以上に高まるのは間違いない気がする。現実に株式市場では、補助金削減により経営が悪化していたはずの「風力発電のデベロッパー」日本風力開発の株が一時、ストップ高まで急騰したという。

 自然破壊や発生する低周波による健康被害など、風力発電も様々な問題点を抱えており、必ずしも「クリーンエネルギー」と呼ばれる代物ではないだろうが、今回の原発危機が、風力発電に対する社会の評価を変えた可能性はある。九大の構想も、もはや絵空事ではないかもしれない。
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