山下清展

旧聞に属する話2011-山下清展

 福岡市博多区のアジア美術館で開かれている「放浪の天才画家 山下清展」を見てきた。代表作「長岡の花火」「桜島」をはじめとする貼り絵のほか、油彩画、ペン画、焼き物など150点の作品が、日記やリュックサック、浴衣といった資料とともに紹介されている。

 面白かった。せっかちな性格に加え、文化的な人間でもないので、普段は一人の作家の作品をじっくり時間をかけて見ることなど絶対にないのだが、きょうは2時間近く会場にいたのに飽きなかった。作品はもちろんだが、年譜も興味深かった。山下清は1950年代初めに2年8か月に及ぶ大放浪をしているのだが、この間に3度も福岡を訪れているのだという。

 もっとも、別に福岡に関心があったというわけではなく、冬に暖かい九州を訪れた際、その玄関口として通過しただけなのだろう。福岡を題材にした作品はあまり残していないようで、会場に展示されていた作品もフェルトペンで描いた「関門海峡」ぐらいだった。残念と言えば残念だが、1950年代の福岡に、山下清の関心をひく風物は少なかったのかもしれない。

 会場のアジア美術館は、歓楽街・中洲の近くにある市立施設だ。福岡には何と二つの市立美術館がある(他に老朽化しているが県立美術館もある)。アジアの近現代美術を収集・展示するのを目的に、1999年に開館した。

 なぜ、福岡市が税金を投じてアジアの近現代美術を収集する必要があるのか、私のような人間にはいまいち分からないが、非常に交通至便な再開発ビル内にある。アジアの近現代美術とはあまり関係ないが、山下清展のような人気の展示会を開くには格好の場所だ。
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