フクニチ新聞


 昔、福岡にフクニチという新聞があった。「サザエさん」を最初に連載したことで有名な新聞だが、てっきり私の子供時代につぶれたとばかり思っていた。ところが、私よりも若い人から以前「フクニチに勤めていました」と聞き、驚いて調べてみたら、廃刊は1992年だった。子供どころか、私がとっくに中年オヤジになっていた頃だ。記憶のいい加減さというより、この場合は自分の無知にあきれ果てた。

 私が子供の頃、この新聞は夕刊紙だった。我が家を含めて近所にも購読している家庭は多く、新聞とは夕方に来るものだと思っていた。親が別の新聞に変えたところ、朝にも夕方にも配達されるので、豪勢なもんだなと感心した記憶がある。ウィキペディアによると、フクニチも1978年に朝刊紙に移行したという。部数減が続く中での起死回生策だったのだろうが、かえって存在感を失わせる結果になったのかもしれない。 

 そのフクニチ新聞が撮影した昭和30年代の福岡の写真がいま、福岡市立図書館の郷土・特別資料室の一角で展示されている。私自身は辛うじて生まれてはいるが、まったく記憶のない時代だ。だから懐かしさは感じないのだが、50~60年前の福岡の街角や風物は色々と面白く、結構見応えがあった。

 ただ、不満なのは写真の数が十数枚と非常に少なく、サイズも小さかったことだ。展示スペースにしても畳2枚程度と狭い。この展示会は、九州新幹線の全線開業や博多駅の新装を機に、福岡の軌跡を振り返る企画のようだが、だとしたらロビーなどを会場に、もっと大々的に開催しても良かったのではないか。郷土・特別資料室など一部の人しか行かない場所での小ぢんまりした展示では、ちょっともったいない気がする。

 展示は7月31日まで。写真は、会場の福岡市立図書館。
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