2隻あった復元キレニア号

旧聞に属する話2011-キレニア号1

 福岡市博物館裏の芝生広場に置かれている木造船「キレニア号」の老朽化が進んでいる。中でも右舷はかなりひどい状態だ。キプロス島沖海底で発見された紀元前3世紀頃の地中海交易船を復元したもので、1989年(平成元年)に開かれたアジア太平洋博覧会展示品の一つだった。博覧会からすでに20年以上。放置されたも同然の現状では解体・撤去となるのもそう遠い先ではないだろう。

 「キレニア号」の横には、簡単な説明板が設置されているが、これには「ギリシア伝統航海保存研究所とキプロス共和国関係者の協力を得て、日本で復元建造」とある。実際に建造に当たったのが静岡県の岡村造船所で、福岡市には日本IBMから寄贈されたとも記されている。

 もっと詳しい情報がないかと思い、ネットで調べたところ、面白い情報に行きあたった。アジア太平洋博覧会の前年に開かれた「なら・シルクロード博覧会」関係者がブログで記していたのだが、この人は“ギリシャ政府が復元した”「キレニア号」をシルクロード博の目玉展示品として借り受けるため大変な苦労をしたというのだ。

 つまり復元「キレニア号」は2隻あったのだ。1隻目がギリシャ政府によって建造された、いわば公式版で、シルクロード博にはこちらが展示された。2隻目が、1隻目の成果をもとに日本で造られたレプリカで、福岡に残されているのはこちらの方だ。扱いがぞんざいに見えるのは、まさかレプリカだからというわけではないだろうが、朽ち果てるにまかせるのは惜しい気がする。


旧聞に属する話2011-キレニア号3

旧聞に属する話2011-キレニア号2


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