山笠標題にライオンズ

旧聞に属する話2011-山小屋

 福岡市のあちこちに今、写真のような骨組みが出来上がっている。これは山小屋と言い、ここに山笠が飾られるのだ。先日は山笠の標題が発表された。勇壮さを売り物にする祭りだから、時代物、中でも軍記物が多いのは毎年のことだが、例年と少し違うのはNHKの大河ドラマにちなんだ標題が少ないことだろうか。

 そのものズバリ「戦国の女江」を標題としたのは博多区の老舗商店街・川端中央街に飾られる山笠だけ。統計を取っているわけではないので正確なことは言えないが、多い年には4、5か所程度は“大河ドラマもの”があった気がする。今年の大河ドラマはえらく評判が悪いと聞いたが、不人気は山笠にも及んでいるのだろうか。

 写真はヤフードーム前の山小屋で、ここの題材は毎年、当然ながら福岡ソフトバンクホークスだ。去年は秋山監督、選手会長の川崎に加え、応援隊長のお父さん犬が特別出演し、えらく目立っていた。今年は誰が主役なのか、7月1日のお披露目を楽しみにしておこう。

 今年はさらに、福岡を沸かせたもう一つのプロ野球チームが山笠に登場するようだ。市の中心部・天神にソラリアという商業ビルがある。ここの1階フロアーに毎年個性的な山笠が飾られているのだが、今回の見送り(裏側のこと)の題材は何と「勇者ライオンズ」。ソラリアの経営者は西鉄で、このライオンズとは恐らく1950年代に日本シリーズ3連覇を成し遂げた伝説の球団・西鉄ライオンズのことであろう。

 西鉄ライオンズは「黒い霧事件」でボロボロになって球界から消え去ったこともあり、親会社だった西鉄にとっても、ライオンズを引き継いだ西武にとっても歴史の暗部であり、地元・福岡においてさえ必ずしもきちんと評価されているとは言い難い。取り壊されたライオンズのフランチャイズ平和台球場に至っては、跡地近くの歩道に、関係者によって建立された小さな小さなモニュメントがあるだけだ。

 西武が数年前から、ライオンズ福岡時代の歴史に正面から向き合い始め、潮目が変わったようだが、それにしてもライオンズが山笠に登場するなど一体何十年ぶりのことだろうか。ライオンズとホークス、福岡を彩った球団のそろい踏みは間違いなく初めてだろう。
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