2代目博多駅

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 2代目博多駅の写真を目にする機会があった。華麗な姿はモノクロ写真でも十分に伝わってくる。3代目駅舎開業に伴い解体されたのは1963年。半世紀近くも前のことだから、今さら惜しんでも仕方ないのだが、保存する方策はなかったのだろうか。3代目駅舎は建て替えではなく、まったく別の場所に新築されただけに、なおさら歯がゆい気持ちになる。

 2代目駅舎の完成は明治42年(1909年)。福岡に現存する建物では、中央区天神に残る国重要文化財の旧日本生命九州支社(写真下、現・福岡市文学館)が同じ42年、同じく国重要文化財の福岡県公会堂貴賓館が43年(1910年)の完成だ。時期が近接しているのは偶然ではなく、ちょうどこの時代は福岡市が近代都市として発展していくとば口に当たるようだ。

 それにしても2代目駅舎の姿は、駅舎としては初めて国重要文化財に指定された門司港駅(1914年完成)に全体的な雰囲気が良く似ている。もっとも木造の門司港駅に対して、2代目博多駅は煉瓦や大理石がふんだんに使われていたというから、カラー写真で見るとずいぶんイメージが違うのかもしれないが。

 冒頭にも書いたが、3代目駅舎は別の場所に建てられたわけだから、意志さえあれば2代目を保存することも可能だったはずだ。だが、JR九州が刊行した『九州の鉄道一〇〇年記念誌 鉄輪の轟き』(1989年)によると、文化財的価値を探る調査が行われることもなく、あっさり取り壊されたらしい。いかにも福岡市らしい話であり、現在の直方駅を巡る事情にも通じるものがあると思う。自らの歴史に何の敬意も払わないのは福岡の為政者の特性なのだろうか。


赤レンガ館
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