緑の中の九州歴史資料館

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 新しい九州歴史資料館は深い緑の中にある。12日、新資料館を初めて見学してきた。公式サイトに「西鉄三国が丘駅から三沢遺跡内の遊歩道を通って徒歩10分」と案内されていたので、てっきり整備された遺跡公園を想像していたが、ほとんど山だった。森の奥からは「ホーホケキョ」という鳴き声が聞こえ、目の前をバッタが次々に飛び去っていった。あれだけ大量のバッタを見たのは、虫捕りに明け暮れていた小学生時代以来ではないだろうか。

 九州歴史資料館が太宰府市からこの地に移転してきたのは昨年11月。老朽化に加え、役割がかぶる九州国立博物館の開館により、一時は存廃論議も起きたが、福岡県の埋蔵文化財センター的な存在として、新天地で再出発を図ることになった。隣接する三沢遺跡だけでなく、敷地全体が豊かな森の中にある。以前はここに簡保レクセンターがあったという。

 移転にかかった費用は36億円。「事業仕分け」などというパフォーマンスで名を売った民主党の女性国会議員あたりが議論に加わっていたら、「福岡県ごときに博物館や資料館がいくつもいるんですか」とあっさり廃館に追い込まれていたに違いない。そして、歴史の調査・研究や文化財保存に携わる自前の機関を持たない文化行政不毛の県に堕ちていたことだろう。

 だが、自然保護行政の方はどうか。レクセンター跡地は28haもの広さがあり、新資料館建設後も13haが未利用のまま残されている。地元の自然保護団体が保全を訴えているが、県側は商業・住宅用地として民間に売却する方針で、2009年度には実際に買い手を公募している。景気の悪さもあってか、この時は応募がなかったようだが、県側は今年6月にも跡地の活用委員会を開くなど、まだまだ売る気満々のようだ。

 緑に囲まれた資料館と、ショッピングセンターやマンションに囲まれた資料館。さて、どちらが魅力的だろう?

 <九州歴史資料館>原則、月曜休館。入館料は一般200円、高校・大学生150円、中学生以下無料。公式サイトhttp://www.fsg.pref.fukuoka.jp/kyureki/




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 <10月1日追記>福岡県が9月28日から、簡保レクセンター跡地買い手の公募を再度始めた。売却面積は約11.7ha、最低価格は9億2300万円。

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