「亀井光」伝説

DSCF3997.jpg

DSCF4012.jpg

 福岡県庁舎を巡って都市伝説じみた噂話が今も語り伝えられている。福岡の人はご存じの人も多いだろう。庁舎を構成する三つの建物を上空から見ると「亀井光」と読めるという、あの話だ。

 亀井光とは、庁舎が出来た1981年当時に知事を務めていた人だ。一応説明すると、「亀」に当たるのが六角形の県議会棟(写真上)で、カメの甲羅のように見えなくもない。「井」は県庁本体に当たる行政棟(写真下の左側)。細長い長方形の建物2棟が平行に建っており、その上ご丁寧にも平行する2本の渡り廊下で結ばれている。最後は県警本部棟(写真下の右側)。建物自体は何の変哲もないが、屋上に太陽「光」パネルが設置されている。

 単なるこじつけのようでもあるが、偶然にしては出来すぎた話でもある。冒頭に都市伝説と書いたのは「県庁舎=亀井光」説を真実と証言する人がいないからだが、私自身は面白いので信じている。ついでに「行政棟の地下深くには玄室があるらしい。県庁は実は亀井氏のピラミッドとして設計されたんだ」という冗談を言いふらしている。もちろん、まったく受けないが。

 亀井氏の5選を阻んだ奥田八二県政の時代、知り合いになった県庁マンに亀井氏の人となりを聞いたことがある。あらかじめ断っておくと、この県庁マンは亀井シンパで、「亀井県政のころは県庁に緊張感があった」と懐かしんでいた人だ。ただ、物凄いワンマンではあったという。自分を支える与党県議の実力者さえ、気に入らなければ怒鳴り上げていたらしい。知事選で奥田氏に敗れた大きな要因は、県民の血税を注ぎ込んで建てた豪華知事公舎問題だった。スリッパ一つとってもとんでもない値段だと言われ、県民の猛反発を浴びた。ワンマンと言うより独裁者、まるでフィリピンのマルコス大統領みたいである。県庁舎を巡る都市伝説が生まれたのもこのあたりが遠因ではないだろうか。

 問題の県庁舎群を設計したのは黒川紀章氏の設計事務所や日建設計なのだが、両事務所のHPを見て面白いことに気付いた。両事務所とも過去に設計を手掛けた建物を多数紹介しているのだが、福岡県庁舎についてはどちらも掲載していないのである。単なる偶然かも知れないが、他の県庁舎などは堂々とPRしているのにである。

 1981年当時としては結構大規模な建築物だったと思うが、それでも両事務所にとって福岡県庁舎は誇れる仕事ではなかったのだろうか。意に沿わない仕事だったのではと邪推したくもなる。やっぱりあれは「亀井光」なのではないだろうか。


CKU20073-C28-24.jpg

 ※航空写真は国土地理院の「地図・空中写真閲覧サービス」から。
関連記事
スポンサーサイト
[Edit]