大野城にもごみ屋敷

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 福岡県大野城市で、男性が拾い集めたごみが市道をふさぎ、近隣住民は通行できないうえに悪臭や害虫被害に悩まされているとの報道が22日あった。いわゆる「ごみ屋敷」問題だ。市側は道路管理権などを根拠に、ごみ撤去を求めて男性を訴える方針だという。プライバシーの問題か新聞各紙には詳しい住所も写真もなかったが、グーグルマップの航空写真で確かめると、それらしい住宅が見つかった。現地を見てきたが、なるほど凄まじい状態だった。

 とにかく膨大な量のごみが一帯を埋め尽くしていた。多くはビニール袋に入れられた空き缶やペットボトルのようだったが、自転車やタイヤ、廃家電などの粗大ごみも含まれ、住宅の2階には大きなサーフボードらしきものもはみ出ていた。

 写真では分かりにくいが、一帯は狭い道沿いに住宅が立ち並ぶ閑静なところだ。ところが、男性方の前の道路は完全に通れない状態のため、木々や草が生い茂り、まるで山林のようである。反対側に回ってみると、道は木々でふさがれていた。22日はさほど気温が高くなかったせいか、臭いには気付かなかったが、真夏の雨上がりなどは恐らくひどいことだろう。近隣住民の多くが耐えきれずに転居していったらしい。

 新聞報道によると、男性が独り暮らしを始めたのは1993年のことで、ほどなくごみを集めた始めたという。市側もこの18年間、手をこまぬいていたわけではなく、何度も撤去を指導したが、男性はごみを所有物と主張し、従わなかったらしい。現行の法体系では、例えごみでも所有権を主張されると行政には打つ手が限られるのだという。

 国交省が2009年、こういったごみ屋敷問題などへの対応を検討するため、全自治体に対し「地域に著しい迷惑をもたらす土地利用の実態把握アンケート」を行っている。1217自治体から回答があり(回答率67%)、その集計結果が公表されているが、約2割に当たる250自治体がごみ屋敷問題が発生していると回答し、うち72自治体は深刻な状況に陥っているとしている。自由意見には「廃棄物であるのか、私有財産であるのかの判断が難しい」「当該居住者本人がゴミと思っていない場合、規制できる法令、条例等がない」などの嘆きが並ぶ。

 裁判に訴えるという大野城市の方策は非常にまだるっこしく思えるが、他に方法がなかったというのが現実なのだろう。

 福島県郡山市の美化条例にはごみの持ち去りを禁じる規定があるというが、この狙いはまさしくごみ屋敷の発生を防ぐためで、別名「ごみ屋敷条例」と呼ばれているらしい。事後の対策が難しいのならば、同市のように防止策を取ることも必要ではないか。現実に2割の自治体ですでに問題が起きているのだから。


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