マンション建設反対請願


 20年ぐらい前、知人の一人が地域ぐるみのマンション建設反対運動にかかわったことがある。業者との話し合いは一向にらちがあかない。議員の力を借りようという意見が出され、福岡市議会に建設中止を求める請願を出すことになった。こういった市民運動に理解があるだろうと考え、革新系議員に請願の紹介議員になってくれるよう頼んだところ、議員側も快く応じてくれたという。

 ところがである。この請願の審査を議会が行う前に、市がマンションの建築確認を下ろし、業者はさっさと着工してしまった。知人ら反対派住民は怒り心頭、紹介議員の面目も丸つぶれだったようだ。私はこの話を聞いた時、革新系の野党議員だから市側になめられたのかなと思ったが、建築基準法などに照らし合わせて問題がなければ、建築確認は下ろさざるを得ないというだけの話らしい。

 じゃあ、このような場合、請願にいったい何の意味があるのだろうか。市議会のサイトに掲載されている会議録の中に、非常に分かりやすい解答があった。今年7月、やはりマンション問題に絡む住民からの請願を審査した常任委員会で、議員の一人がこんな発言をしているのだ。

 「これまでもさまざまなマンション紛争を通じて、市民は議会や市当局の無力さを痛感してきたと思う」。要するに役立たずだったということを議員自ら認めているわけだ。

 10月5日の朝刊で、マンション建設反対の請願に添えられた署名2万人分を、市議会事務局が誤ってシュレッダーにかけ破棄したという「事件」が報道された。福岡市中央区にある保育園横の空き地(写真)に、高層マンション建設が計画されており、日当たりなどを心配する関係者らから出されたものだ。請願自体は受理され、すでに9月2日には審査が行われており、市側は署名簿破棄の影響はないと釈明している。

 ちなみに審査の結果は「継続審査」。いかにも今後も検討を続けるというような言い方だが、私の知る限りでは、請願に対して採択・不採択の結論を出さないまま「塩漬けにする」という程度の意味でしかない。そして、現在の議員の任期が切れる時、件の請願は継続審査のまま廃案になるのだ。署名簿破棄の一件は単なるうっかりミスで、それ以上でも以下でもないのだろうが、市や市議会の請願に対する姿勢をよく表しているように思う。

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