針尾無線塔、国重文に


 ちょうど1年程前、「緑の廃墟・川南造船所2」の中で言及した長崎県佐世保市の針尾無線塔が国重文に指定されることになった。高さ135~137mの巨大なコンクリート製電波塔で、1922年(大正11年)に旧海軍によって建設された。太平洋戦争開戦の暗号「ニイタカヤマノボレ」を送信したと私は聞いてきたが、最近では異説もあり、どうも確定した話ではないらしい。

 戦後も海上保安庁が使用していたが、1997年に役割を終えた後は解体論議も起きていた。残った経緯は、福岡県志免町にある旧志免炭鉱の竪坑櫓のケースと良く似ている。行政側は取り壊しの意向だったが、規模が大きいうえに極めて頑丈にできているので、解体には莫大な金がかかると分かった。仕方ないので放置していたら、「貴重な近代化(戦争)遺産だ」として保存を求める声が住民の間に高まり、結局は国をも動かした。単純化すれば、こんな流れだろう。

 文化財指定が決まったことを伝える新聞紙面には、「市の宝として公開できるように整備したい」という佐世保市長のコメントが掲載されている。同じく国重文になったとは言え、志免炭鉱の竪坑櫓は今もってフェンスで囲われているだけで、地元・志免町の取り扱いは依然として冷淡なままに見える。自治体の財政規模の問題もあり、軽々しく論評できる問題ではないが、佐世保市長のこういったコメントを見ると、今なお邪魔者扱いしているかのような志免町政の姿勢が残念になる。

 写真は2008年5月、西海橋付近から撮影。
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コメント

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はじめまして、
以前のブログを検索してここに来ました。
地行中央公園の「大きな愛の鳥」です。
ずっと気になっていたので、ここに来てスッキリしました。
ありがとうございました。

こちらこそはじめまして。
お役に立てて幸いでした。