屋台は福岡の文化か

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 朝、福岡市の中心部・天神周辺を歩いていて、不快な臭いに気付く時がある。掃除の行き届かない公衆トイレのような…。理由はわかっている。天神界隈の歩道には夕方から名物の屋台が軒を連ね、市民や観光客でにぎわう。しかし、一帯に公衆トイレは少ない。悪臭の原因は言うまでもなく、酔客の無作法の跡だ。

 私も長く福岡に住んでいるので屋台には何度か行ったことがある。ユニバーシアードだか世界水泳だかがこの街で開かれた際、子供の応援のために来日した外国人男性と中洲の屋台で意気投合し(と言っても言葉は通じていない)、一緒に飲んだくれたのは良い思い出だ。勘定は私が持ったが、この時はえらく良心的な値段だった。

 しかし、最近はめっきり足が遠のいた。冒頭書いたような衛生面の問題もあるが、私のような金がないオヤジには、店によっては料金不明朗なのが問題だ。焼き鳥やビールまで「時価」では安心して飲めない。福岡に住んでいながら、「居酒屋の方がはるかにまし」と屋台を毛嫌いする人間は私の周囲にも意外に多い。

 この屋台、市の意識調査の結果などによると、観光客の評判は悪くないようだが、いずれは自然消滅の運命だった。県警も市も営業を「一代限り」と定め、新規参入は認めていないため減少する一方だからだ。ところが、昨年就任した高島市長がこの現状に異を唱え、存続の道を探り出した。ジャーナリストの鳥越俊太郎さんを座長に据えた検討会も設け、議論も始まっている。ただ、この議論は市長の見込みとは違う方向に行っているように思える。

 市長が存続論を言い出したのは、屋台を「福岡固有の文化であり、大事な観光資源」と考えてのことで、多くの市民が無条件に賛成してくれると思っていた節がある。だが、先ほどから指摘している不衛生、悪臭、ぼったくりの問題に加え、歩道を占拠し通行の邪魔、騒音など屋台にはマイナス面も多過ぎる。福岡の誇る文化や観光資源と単純に評価できるほどの代物ではない。直接被害を被っている近隣住民や企業にとっては、むしろ耐え難い存在だろう。実際、検討会の場では激烈な屋台反対論も飛び出し、シャンシャンとは到底行かない状況になっている。

 あるいはこの解決策なのだろうか。21日の朝日新聞朝刊に興味深い記事か載っていた。天神の外れにある須崎公園に屋台村を作る構想を市が温めているという。私のような屋台をさほど好きでもない人間には悪くないアイデアだと思うが、屋台支持派にとってはどうなのだろう。

 市長は屋台存続の意向を最初に市議会で表明した際、なぜかツイッターでも取り上げた。市長の問題提起の在り方としては新しい手法かもしれないが、非常に軽いやり方に思える。屋台の問題自体も軽く考えていたのでは、と疑ってしまう。
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