母パチンコ中に子供焼死、半世紀前にも

 先日、地元の図書館で新聞のデータベースを使って調べ物をしていたところ、痛ましい事件の記事が目に付いた。東京オリンピック開幕日(1964年10月10日)の新聞だから、もう半世紀近く前の事件だ。

 大阪市東淀川区の阪急十三駅前で母親がパチンコに興じていたところ、連れていた双子の4歳男児が店から抜け出し、駅構内のゴミ箱にもぐり込んで遊び出した。双子の一人は普段からマッチを持ち歩いており、ゴミ箱の中で火遊びを始めたのだが、ゴミに足を取られて抜け出せなくなり、そのまま焼死したという。母親はそれに気付かないまま、なおもパチンコにふけっていたと記事は伝えている。

 この記事で驚いたのは、半世紀近く前のこととは言え、4歳児がマッチを持ち歩いていたことだ。この事件以前にもゴミに火をつけ、他人に注意されたことがあったという。また、当時43歳の母親には8人の男児がいたのだが、事件の数年前にも4歳の六男をやはりパチンコ中に失っている。留守番をしていた六男の服に火鉢の火が燃え移り、焼死したという。母親にとって六男の死は、パチンコをやめるほどの痛恨事ではなかったということなのだろうか。

 2009年1月、千葉の松戸で似たような事件が起きている。23歳の母親が乳児を含む3人の子を残してパチンコに行ったところ、留守中に火災が起き、3人が焼死。母親は最初、警察の事情聴取に対し「病院に行っていた」とウソをついていたという、あの事件だ。

 パチンコ店駐車場に停めた車内で子供を熱中症死させたケースと違い、留守中の火事は予見できないため、保護責任者遺棄致死罪での立件は難しいとも聞く。64年の記事にも「犯意がないので、刑事責任追及はむずかしい」とある。時代はずいぶん違うのに、同じような事件が起きるものだと少し驚いた。
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