山口の母子殺害、20日判決


 山口県光市で1999年に起きた母子殺害事件の最高裁判決が20日に言い渡される。差し戻し控訴審で、広島高裁が被告の男に下した判決は死刑。同高裁はこれ以前に一度、無期懲役の判断を下したが、最高裁は2006年「死刑回避は不当」との理由で判決を破棄、高裁に審理を差し戻した経緯がある。わかりづらいので、これまでの判決を時系列まとめると以下のようになる。素人考えだが、この流れを踏まえれば、死刑以外の判決が出るとは考えにくい。

 ▽2000年3月 死刑の求刑に対し山口地裁が無期懲役判決
 ▽2002年3月 広島高裁が検察側の控訴を棄却
 ▽2006年6月 最高裁が審理を高裁に差し戻す
 ▽2008年4月 差し戻し控訴審で広島高裁が一転死刑判決
 ▽2012年2月 最高裁判決

 被告は犯行当時18歳だったため、現在でも報道では「元少年」などと匿名表記だが、現実には間もなく31歳になる。2000年の1審判決で無期懲役判決を受けた後、知人に「無期はほぼキマリ、7年そこそこに地上に芽を出す」(ウィキペディアより引用)との手紙を送っていたことが暴かれたが、未決勾留期間は7年どころか、すでに13年にもなる。

 それにしても「7年」とは、どれだけ自分の罪を軽くみていたのか。確かに少年犯罪の場合は7年の服役(成人は10年)で仮釈放の対象とはなるが、現実には7年や10年程度で娑婆に出られるはずがない。彼が甘っちょろい見通しを書いた2000年の場合、仮釈放が認められた無期懲役囚の平均受刑期間は21年2月だった。

 その後の刑法改正で有期刑の上限が30年に引き上げられた結果、仮釈放が認められるまでの期間は大幅に長くなっており、2010年では35年3月に及ぶ。しかも、これはあくまでも“仮釈放が認められた幸運な受刑者”の平均であって、受刑期間が50年を超えても認められなかった者が多数いるのだ。これらの数字は法務省が昨年11月に公表した「無期刑の執行状況及び無期受刑者に係わる仮釈放の運用状況について」に詳しく記されている。

 あえて付け加えれば、未決勾留期間は受刑期間に算定されない。20日の判決で万が一無期懲役に減軽されたとしても、被告が運良く出所できるのは、現在の傾向に従えば、今から30数年後、60歳を大きく超えた時だ。この男は仮に還暦を超えてもなお少年法に守られ、「元少年」と呼ばれるのだろうか。写真は最高裁。

 <2月20日追記>最高裁が20日、元少年側の上告を棄却、広島高裁の死刑判決が確定することになった。事件発生以来13年間、少年法に守られ匿名で報じられてきた元少年だが、「死刑が確定する以上、もはや更生の機会なし」と報道機関はこの日をもって一斉に実名に切り替えた。大月孝行被告、30歳(1981年3月16日生)。ただ、大手マスコミは匿名だったとは言え、ネット上には以前から実名が流布し、彼の名字をズバリ題名に取った書籍さえあった。いつ「福田」から「大月」に改姓したのだろう? 確定死刑囚への面会は親族以外は難しいと聞いた。あるいはこの事態に備え、支援者との間で養子縁組を行ったのだろうか。
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