福岡拘置所の確定死刑囚一覧


 「福岡拘置所の確定死刑囚20人突破」という記事を昨年12月に書いた。実際に誰が収監されているのか? 一覧作りに挑戦した。確定死刑囚の名前はインパクト出版会の『年報・死刑廃止』シリーズなどを参考に、事件内容(犯罪事実)は過去の新聞記事などを参照した。(※氏名の後ろは生年月日。被害者の年齢はすべて当時。このブログで取り上げたことがある事件に関してはリンクを張っている)

  •  尾田信夫(1946.9.19)(マルヨ無線事件、最高裁判決1970.11.12)1966年12月5日、現在の福岡市博多区下川端にあったマルヨ無線川端店に、元店員だった尾田が少年とともに押し入り、店員2人をハンマーで殴り現金を強奪。さらにストーブをけり倒して放火し、逃走した。この火事により店員1人が死亡。公判では弁護側が尾田の精神鑑定を申請。裁判所はこれを認めるが、尾田は病院から一時脱走している。「マルヨ無線事件」「20歳には見えない」「尾田信夫の行動力」

  •  浜田武重(1927.3.10)(3連続保険金殺人、同1988.3.8)内縁の妻(病死のため公訴棄却)と共謀、福岡県内で1978年から1979年にかけて、保険金目当てに妻の連れ子など3人を次々に殺害した。しかし、2件については事故死だとして無罪を主張。「1979年、浜田武重がいた場所」(2017年6月26日、吐瀉物を詰まらせ窒息死。90歳)

  •  金川 一(1950.7.7)(熊本主婦殺人、同1990.4.3)1979年9月、熊本県免田町(現在のあさぎり町)の畑で農作業中の主婦(21)を襲い、乱暴の後、刃物で殺害した。同死刑囚は18歳の時に強盗殺人を犯し、10年間服役。主婦殺害は出所直後の事件であったこともあり、極刑が下った。1審途中から自供を翻し、無罪を主張。「免田町主婦殺害事件」

  •  大城英明(旧姓・秋好)(1942.3.10)(内妻一家4人殺害、同1997.9.11)1976年6月13日、内縁の女性との結婚を妻の姉に反対されたのを恨み、福岡県飯塚市の姉宅に押し入り一家4人=姉(44)、姉の夫(46)、姉夫婦の長女(20)、姉と女性の母(73)=を殺害。ただし、3人は女性が殺害したとして一部冤罪を主張している。

  •  倉吉政隆(1951.7.2)(男女強殺、同2004.12.2)1995年4月18日、仲間の男と共謀し、福岡県山川町(現在の久留米市)で知人の会社役員(46)を射殺し、貴金属などを強奪。一緒にいたフィリピン人女性(25)も殺害し、2人の遺体を阿蘇の牧草地に埋めた。倉吉死刑囚は事件当時、バーを経営しており、フィリピン人女性はホステスとして勤務。殺害された会社役員は常連客で、女性と交際中だった。多額の借金を負っていた倉吉死刑囚らはこの事件前後に連続短銃強盗事件を起こし、逮捕。共犯の男が2人の殺害を自供し、強殺事件が明るみに出た。共犯の男には無期懲役判決が下っている。「倉吉政隆・短銃強盗団」

  •  石川恵子(1958.5.23)(宮崎2女性殺害、同2006.9.21)父親の経営する工務店の資金繰りに困り、1996年8月と97年6月、女性を相次いで強殺、遺体を畑や山林に遺棄した。弁護人が婦女暴行未遂事件を起こし、1審判決が延期されたほか、死刑を言い渡した宮崎地裁裁判官が控訴を勧めるなど法廷内外の“事件”も注目を集めた。当初、死刑判決を受け入れることを表明した石川死刑囚だったが、裁判官の勧めに従い控訴。結局は最高裁まで争った。「死刑囚と西都」

  •  松田康敏(1968.2.23)(宮崎独居女性連続強盗殺人、同2007.2.6)2001年11月、宮崎県西都市のスナック経営の女性(53)宅に侵入し、包丁で女性の胸を刺したうえ首を絞めて殺害。同年12月には同県国富町の雑貨店経営の女性(82)を首を絞めて殺害し、現金63万円を奪った。(2012年3月29日執行、44歳)

  •  中原澄男(1947.6.3)(暴力団抗争連続殺人、同2007.6.12)太州会系暴力団組長。1997年10月、対立する暴力団組長を配下の組員に命じて路上で射殺。さらに実行犯の一人を口封じのため殺害し、穴に埋めた。死刑確定前、2002年9月に福岡県二丈町(現・糸島市)で起きた立てこもり女児殺害事件の犯人、川村忠(無期懲役が確定)の養父となっている。

  •  外尾計夫(1947.7.11)(佐賀・長崎連続保険金殺人、同2008.1.31)愛人関係にあった山口礼子受刑者(無期懲役判決)と共謀し1992年9月、山口受刑者の夫(36)を睡眠薬で眠らせ“佐賀県”の海に突き落として殺害、1億円近い保険金をだまし取った。これに味をしめた外尾らは98年10月に山口の次男を海に突き落として殺害、再度を保険金をだまし取ろうとしたが、今度は現場が“長崎県”の海だったため同県警が疑惑を抱き、事件発覚。以前から捜査能力を疑問視されてきた佐賀県警は第一の事件を見逃し、結果として次男の死を招いたことで、大きな批判を浴びた。

  •  松田幸則(熊本松橋男女強殺、2009.4.3上告取り下げ)2003年10月16日、熊本県宇城市松橋町の女性(54)宅で、女性と同居人の男性(54)を包丁で刺して殺害。現金8万円余りを奪った。(2012年9月27日執行、39歳)

  •  菅 峰夫(1950.10.4)(福岡庄内町連続強盗殺人、最高裁判決2009.12.11)1996年6月、手柴勝敏・元死刑囚と共謀、共同で土地開発事業を行っていた不動産会社社長(59)を絞殺。さらに同年11月には建設会社社長を殺害し、現金900万円などを奪った。手柴・元死刑囚は2010年4月、獄中で病死。

  •  吉田純子(1959.7.10)(久留米看護師連続保険金殺人、同2010.3.18)病院の同僚らと共謀し1998~99年、同僚の夫2人を鼻から医療用チューブで大量のウイスキーを流し込むなどして殺害。保険金約6750万円をだまし取った。(2016年3月25日執行、56歳)

  •  尾崎正芳(1974.5.16)・原 正志(1957.8.12)(替え玉保険金殺人等、同2010.11.8)2002年1月8日、以前の勤務先の顧客だった北九州市八幡東区の男性(73)宅に押し入り男性を刺殺、印鑑と通帳を奪い住宅に放火して逃走した。さらに原にかけた生命保険金をだまし取ろうと替え玉殺人を計画。ホームレス男性(62)を睡眠薬で眠らせ、大分県内の川で水死させた。「大分替え玉保険金殺人」

  •  鈴木泰徳(福岡3女性殺害、同2011.3.8)2004年12月12日、福岡県飯塚市の公園で専門学校生(18)の首をマフラーで絞めて殺害。同31日には北九州市小倉南区の路上でパート従業員の女性(62)を包丁で刺殺、さらに05年1月18日には福岡市博多区の公園で会社員女性(23)を刺殺し、現金などを奪った。消費者金融に数百万円の借金を抱えていたのが犯行の動機だったが、奪った会社員女性の携帯電話でアダルトサイト接続を繰り返すなど異常な行動が目立った。最高裁判決時の年齢は41。「鈴木泰徳の転落」

  •  渕上幸春(1969.1.23)(詐欺共犯者殺害事件、同2011.4.19)1999年3月、交通保険金詐欺の共犯(47)を口封じのため睡眠薬で眠らせ絞殺。遺体を知人に依頼し産廃処分場に埋めた。さらに詐欺に気付いた税理士(47)を粘着テープで縛ったうえトラックでひいて殺害。渕上は筋ジストロフィーを患っており、公判には車椅子で出廷。弁護側は「体の不自由な渕上が絞殺するのは不可能」と無罪を主張した。

  •  北村実雄・真美・孝・孝紘(大牟田4人殺害、同2011.10.3=真美・孝紘、10.17=実雄・孝)2004年9月18日、一家4人で知人女性(58)を殺害し、現金26万円を強奪。女性の長男(18)、その友人(17)も口封じのため殺害した後、さらに女性の次男(16)も殺害した。最高裁判決時の年齢は北村実雄(67)・真美(52)・孝(30)・孝紘(27)。死刑確定後、実雄は広島拘置所、孝は大阪拘置所に移送。「大牟田4人殺害、死刑確定へ」

  •  魏巍(福岡一家4人殺害、同2011.11.20)2003年6月20日、他の中国人2人とともに福岡市東区の衣料品販売業の男性(41)宅に押し入り、男性の妻(40)と長男(11)、長女(8)を次々に殺害。帰宅した男性にも重傷を負わせた後、3人の遺体とともに博多湾に投げ入れ殺害した。共犯2人は中国に逃走後逮捕され、1人は死刑がすでに執行され、1人は無期懲役に服している。最高裁判決時の年齢は31。「福岡一家4人殺害の現場」

  •  松永 太(1961.4.28)(北九州監禁殺人、同2011.12.12)1996年2月~98年6月、内縁関係にあった緒方純子受刑者と共謀し、緒方の父母、妹家族など計7人を次々に殺害(1人は傷害致死を認定)した。1審では緒方にも死刑判決が下ったが、凄まじい虐待により松永に逆らうことができなかったとして2審は無期に減軽。最高裁もこの判断を踏襲した。



  •  田尻賢一(熊本2人強盗殺人、2012.9.10上告取り下げ)2004年3月、熊本県宇土市の開業医宅に押し入り、妻をスパナで殴るなどして殺害し現金18万円を強奪。さらに7年後の2011年2月には熊本市の会社役員宅で妻をナイフで刺し殺害、帰宅した役員にも重傷を負わせ、現金10万円を奪った。上告取り下げ時の年齢は41歳。裁判員裁判で1審を裁かれた者としては3人目の死刑確定者。
関連記事
スポンサーサイト
[Edit]