泳いで大丈夫か!?

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 12日の福岡市は夏日となり、早良区のシーサイドももちでは早くも水遊びをする子供たちらでにぎわったようだ。夕方、付近を散歩した時もまだ大勢の若者たちが上半身裸で戯れていた。3年前にこの人工海浜に関して以下のような話を書いた。加筆修正して再録した。文中にあるシーサイドももちの水質調査結果は2010年のものである。

     ◇

 福岡市のシーサイドももちは、博多湾を埋め立てて造られた街だ。湾に面して美しい人工海浜があり、毎年夏になると大勢の海水浴客で大にぎわいする。だが、以前から疑問に思っていた。「この海岸、泳いで大丈夫なのか?」

 どういうことかと言うと、この場所には埋め立て前にも海水浴場があったのだが、水質悪化で遊泳禁止の状態だったのだ。埋め立てによって近代的な街が誕生し、人工海浜も整備されたが、水質が劇的に改善したという話は聞かなかった。

 第一、この付近の海域が汚いのは、室見川、樋井川という二つの河川が流れ込んでいるからで、中でも海水浴場側の人工海浜に流れ込む樋井川の強烈な汚濁度合いは見た目でも臭いでもわかる。この悪条件が変わったわけではないのだ。だから、私は絶対にこの海岸では泳がない。友人に誘われやむなく泳いだ家族によると、やはり「糸島あたりの海に比べると、水は格段に汚かった」という。

 海水浴シーズン前には毎年、福岡県が各海水浴場の水質検査結果(大腸菌群数や化学的酸素要求量、透明度などをもとに5ランクで評価)を公表するのだが、この場所は調査対象に含まれていない。この点も「本当は泳げないほど汚いのではないか」という疑惑を深めることとなった。

 ある時、福岡県の環境保全課に「なぜ、シーサイドももちの水質検査を行わないのか」と電話で問い合わせたことがある。回答は、シーサイドももちは海水浴場ではなく、“水遊びの場”として認識しているので、行っていないというものだった。要するに、この海岸では人は水遊びはしているが、泳いではいない、だから検査は必要ないという判断らしい。

 実態をまったく考慮しない、いかにもお役所らしい仕事ぶりだと思い、非常に腹立たしかったが、水質検査自体は海岸を管理している福岡市の外郭団体が行っているという。そこで、その外郭団体にも電話で検査結果を尋ねてみた。結果は、なんと「AA」。これは宗像市の神湊や北九州市若松区の脇田など、外海に面した海水浴場と並ぶ最高ランク評価だ。

 ちなみに、2012年度の水質検査結果を見ると、西区の大原や能古島、糸島市の深江など福岡市や近郊の海水浴場の多くは2ランク下の「B」評価。「AA」など近辺にはない。なぜ、条件の悪いシーサイドももちの水質だけは良いのか。ちょっと謎であり、正直なところ、結果を無条件に信用できない。もっと端的に言えば、汚濁が進行しやすい閉鎖性水域の博多湾の最深部に当たり、なおかつ小汚い川が流れ込んでいる場所の水質が最高ランクなどあり得るはずがなく、間違いなく「嘘っぱち」だと思っている。
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