ため池整備も縦割り



 福岡市西区で10日、7歳と5歳の兄弟がため池に転落し、兄が死亡するという痛ましい事故が起きた。弟も意識不明の重体という(その後弟も亡くなった)。この事故を受けて市などが11日、ため池317か所の緊急点検を行ったところ、出入り口に鍵がないなど52か所で安全対策上の問題点が見つかったという。

 ため池での事故防止策としては、福岡市も「農業用施設安全対策事業」として毎年フェンス補修などを行っており、決して無策だったというわけではない。しかし、たった1日の点検で52か所もの問題点が見つかったのだから、本当に緊急性のある所から事故対策が取られてきたか、きちんとした検証は必要だろう。

 ただ、フェンスを壊して侵入する釣り人が相次ぎ、補修がいたちごっこの状態だったのは確かのようだ。今回事故が起きた池もフェンスで囲まれていたが、入り口の扉は簡単に出入りできるほど変形していたという。この変形が釣り人が無理やり侵入したためかはわからないが、自分の楽しみのためには子供たちの安全など考えない、少なくとも「鍵を壊せば、子供が入って危険かもしれない」とは考えが及ばない人がいることは間違いない。

 今回のような事故が起きれば、市は管理責任を問われる。壊されたら補修するだけではなく、壊した人間をとことん追及し、彼らの責任も問うべきではないだろうか。事故の責任まで取らせるのは難しいだろうが、先の農業用施設安全対策事業には毎年1000万円前後の公費が投じられており、釣り人が壊したフェンス補修にも多額の血税が使われているのである。弁償ぐらいはさせるべきだろう。

 ところで、この事故を機に福岡市のため池政策を調べていたら、新年度予算案に以下のような項目を見つけた。赤枠で囲った部分だ。2番目の治水池とは聞きなれない言葉だが、これも農業用としては使われなくなったため池のことだ。要するに福岡市は、ため池を「水辺空間として整備する」事業を二つの部局で別々に行っている。いかにも福岡市らしい話だが、こんなものこそ事業仕分けの対象とするべきではないか。写真は水辺空間として整備された治水池の野間大池。


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