虐待男の過去

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 殺虫剤の針を突き刺して噴射したり、太ももをカッターで切り裂いたりなど、妻の連れ子に陰惨な虐待を繰り返したとして逮捕された福岡市の無職男(36)が19歳の時にも虐待事件を起こし、2人の幼児を死なせていたという。27日の読売新聞朝刊が報じていた。

 記事によると、男は山口県内に住んでいた17年前、同居女性の2歳に満たない女児を浴槽のふたに座らせて風呂を沸かし、転落した女児に大やけどを負わせた。しかも女児をそのまま放置して女性と遊びに出かけ、死に至らしめた。その2か月後には縁側にいた6歳男児を蹴り倒し、死亡させている。男は傷害致死の罪で8年間服役したという。

 2人の子供の命を奪いながら、わずか8年で娑婆に戻って来られるのだから、この国での子供の命の軽さは驚くべきだが、少なくとも最初の女児のケースでなぜ殺人罪が適用できなかったのだろうか。不可解極まりないが、もっと不可解なのは母親である女性の行動だ。子供を見殺しにしたどころか、女児の場合は明らかに加担している。記事は何も伝えていないが、彼女にも何らかの司法判断が下ったのだろうか。

 無職男の一家は現在、生活保護を受けながら、福岡市のアパートで暮らしていたと先の記事にあるが、正確にはUR(旧住都公団)の賃貸住宅(写真)だと聞いた。URの住宅に入居するには一定以上の収入が必要と思っていたが、2010年秋に「生活保護費も収入とみなす」と改定され、保護世帯の入居が可能になったらしい。生活保護とは懸命に生きてきた人間のセーフティーネットであるべきだが、現実にはこの種の人間が社会に寄生する手段となっているケースも多い。福岡市の2012年度一般会計予算は7662億円だが、ちょうど1割が生活保護費だという。

 男が住んでいると言われる部屋のベランダを見たが、妙な物が吊り下がり一種異様な雰囲気だった。気味悪がっていた住人もいたに違いない。男は虐待の理由を「言うことを聞かなかったため」と供述したらしいが、抵抗できない幼児2人を死なせた過去を持ち、現在は仕事もせずに殺虫剤の針やカッターを振り回している男の言うことなど誰が聞くものか。子供たちの命を今度は救えたことが何よりだった。
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