ムクドリはどこに行った?

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 ふと気付いたのだが、ムクドリはどこに行ったのだろう。福岡市早良区西新1・2丁目の街路樹(写真)に、毎日夕暮れ時になるとムクドリの大群が現れ、ギャーギャー大騒ぎしていたのだが、最近はまったく見かけない。街路樹はイチョウで、今は当然ながら完全に落葉している。ムクドリは5~11月はケヤキやイチョウなどをねぐらにし、葉が落ちる冬は竹林に移るらしいが、西新近辺に竹林などない。どこで冬を過ごしているのだろうか。

 地元紙に2月、JR博多駅筑紫口一帯にムクドリの大群が現れるという記事が載ったのを思い出し、4日夕に周辺を歩いてみたが、1羽も見かけなかった。記事には福岡県の合同庁舎付近が特に多く、道路はフンで汚れていると書かれていたが、すでにどこかに移動したのか、痕跡を見つけることさえできなかった。

 ムクドリはもともとは田んぼの害虫を食べる益鳥だったらしいが、次第に外敵から狙われにくい都市を棲み家にするようになり、鳴き声による騒音被害やフン害を嫌う人間との間で軋轢が生じるようになったという。東京のベッドタウンとして知られる千葉県の市川市や習志野市などでは駅前などに何千羽単位の巨大な群れが住み着き、行政側は駆除に躍起になっていたらしいが、結局はいたちごっことわかり、最近では共生を模索しているとも聞く。

 福岡の場合は大きな群れと言っても、博多駅でせいぜい1000羽(地元紙報道による)、西新では数十羽~数百羽程度で、私が知る限りではムクドリの群れを問題視する声は聞かれなかった。だから、福岡市の群れは人間に追い出されたのではなく、ムクドリたちが自ら住み良い場所に移動しているだけだとは思うが、渡り鳥でもないのに、あれだけギャーギャー騒いでいたのがまったく姿を消してしまうと少々気にかかる(大陸では渡り鳥らしいが、日本では一年中いる留鳥となっている)。

 しかし、面白いと思う。夏の間にムクドリが集まる西新の街路樹近くには有名な進学塾がある。ムクドリの鳴き声がどの程度の騒音だったかはわからないが、ちょうど受験勉強の追い込み時に当たる晩秋から冬の時期、ムクドリはこの場所からいなくなってくれる。もちろん、自然の習性に過ぎないわけだが、これはこれで街と鳥との共生のようにも思える。
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