野方遺跡にある穴

DSCF5290.jpg

DSCF5320b.jpg

 吉武高木遺跡に行ったついでに、近くにある野方遺跡(福岡市西区野方)にも足を伸ばしてきた。こちらも国史跡。弥生時代後期から古墳時代前期(約1800~1700年前)にかけての集落跡で、住居跡の発掘現場が一部そのまま残され、それを建物で覆った展示館がある。以前は展示館横に復元された竪穴式住居も2棟(下の写真、遺跡の説明パネルから接写)あったのだが、1994年5月の不審火で2棟とも焼失。今では大きな竪穴だけが残され、写真2枚目のような状態だ。

 遺跡が発見されたのは1973年、住宅地の造成工事中のことで、遺跡の周囲には現在、住宅地が広がっている。遺跡自体は公園としてきれいに整備され、周辺住民の憩いの場になっているようだが、史跡という雰囲気はない。復元住居が焼け落ちた後、市教委は建て直しを検討したとも聞くが、結局は実現しなかった。財源問題もあるだろうが、復元住居は木造カヤぶきという極めて燃えやすい材質だけに、周囲の住宅街に配慮したのかもしれない。

 それにしても文化財がよく燃える街だ。板付遺跡(博多区)でも復元竪穴住居が何度か不審火に見舞われているほか、2000年には福岡城の下之橋御門が焼け、一昨年も名島門など福岡城内で不審火が相次いだ(「福岡城でまた不審火」)。多くは放火やたばこの不始末が原因とみられるらしい。

 野方遺跡に常駐されている管理人の方は火事について「管理にも問題があったので」と話していたが、放火犯相手では対応しようがないだろう。毎年1月26日の文化財防火デーに消火訓練を行うのはどこの自治体でも定番だが、多分福岡市の関係者はどこの街よりも真剣に行っていることだろう。

 野方遺跡・住居跡展示館は年末年始以外を除く午前9時~午後5時開館(入館は午後4時半まで)。入場無料。


関連記事
スポンサーサイト
[Edit]