鴻臚館

旧聞に属する話2010-鴻臚館2

旧聞に属する話2010-鴻臚館1

 福岡城跡(福岡市中央区)の一角に、鴻臚館(こうろかん)跡がある。鴻臚館とは飛鳥から平安時代にかけての外交・通商施設で、1987年、平和台球場改修工事の際、遺構が確認された。紆余曲折があったようだが、福岡市は最終的に遺構を保存し、球場を撤去することに決定。現地では現在も発掘調査が続く一方、調査が終わった一部区画の上に展示館が建てられている。この展示館が意外と面白い。

 写真上が、現在も調査が続く鴻臚館跡で、その背後に見えるのが展示館。一見、立派な建物のようだが、遺構をごく簡単に覆っただけで、内部は写真下のようになっている。この施設のどこが良いかというと、第一に入館料が無料なのだ。展示館と言っても、遺構以外では出土品の陶磁器が少しと説明板があるだけ。金を取るほどの代物でないのも確かだが、資料館(史料館)と称する各地の施設の中には、料金はしっかり取る割に中身はもっと貧弱な例も結構ある。

 ここは、遺構をそのまま見せていることが目新しいうえに、古代の国際情勢を踏まえた鴻臚館の役割や歴史、遺構発見に至るエピソードなどが分かりやすく紹介されている。中でも、奈良時代のトイレ遺構についての説明は面白い。国内で初めて確認されたもので、土壌分析の結果から、古代の貴人たちが食べていたものや、トイレが当時も男女別に分けられていたことなどがわかったという。

 発掘調査終了後、この地には鴻臚館そのものを復元することも計画されている。ただ、発掘調査の進み具合をみると、まだまだ時間がかかりそうな雰囲気で、市民が「古代の迎賓館」の全貌を見ることができるのは、ずいぶん先ではないだろうか。
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