現職警部補の犯罪

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 福岡県警の現職警部補が暴力団関係者に捜査情報を漏らし、見返りに現金を受け取っていたことが明るみに出た。犯罪小説に出てくるような悪徳警官がよくもまあ現実に存在していたものだが、毎年のように何かしら不祥事が起きている福岡県警の現状を思えば、驚くには当たらないのだろう。

 福岡県警では1988年にも現職警部補が世を騒がす事件を起こしている。当時46歳の機動捜査隊員が自分の拳銃を持って佐賀県鳥栖市の信用金庫に押し入り、現金280万円を奪ったというものだ。幸い死傷者こそ出していないが、威嚇のため発砲さえしている。犯行から10数分後には緊急配備中の鳥栖署員によってスピード逮捕されているが、取り調べが進むに従って明らかになった犯行動機は極めてお粗末なものだった。

 警部補には妻子がおり、福岡市近郊にマイホームも構えていたのだが、一方で久留米市のアパートの一室に若いフィリピン人ダンサーを愛人として囲っていた。二重生活を維持するため消費者金融などから多額の金を借りていたという。さらには愛人から「スラム街に住んでいるフィリピンの両親に家を買ってあげたい」と金をせがまれており、拳銃強盗の直接の動機はこの金を工面するためだった。

 この事件前、借金苦の警察官による強盗(未遂)事件が全国で続発していた。警視庁・道府県警は消費者金融等に借金を抱える警察官を洗い出したうえで、返済不能と判断した者には無理やり辞表を書かせ、退職金で支払わせる荒療治さえ行っていたという。その“大掃除”が終わった後に事件は起き、福岡県警のメンツ・信頼は地に堕ちた。警部補には1審で懲役10年(求刑15年)の判決が下っている。

 福岡県警は近年、一般市民の協力を得ながら暴力団壊滅に力を入れているが、暴追運動に関わる市民や企業が狙われる事件が相次ぎ、「市民を矢面に立たせている」との批判も出ていた。この中で起きた捜査情報漏洩事件。事件を伝える新聞各紙の記事は「もう警察は信用できない」という市民の声で埋まっている。逮捕された警部補の容疑は収賄であり、ほかに罪がなければ、量刑は5年以下の懲役に過ぎないが、事件が県警に与えたダメージは拳銃強盗と同等、あるいはそれ以上に大きいようにも思える。写真は福岡県警本部。
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