馬頭観音

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 福岡市中央区黒門に馬頭観音を祭った祠がある。8月中旬、祠の中を見学していると、「金一封」を寄付した個人や事業所名を書いた紙が壁にずらりと貼られているのに気付いた。気になったのは、その中に同区選出の現職福岡市議の名前があったことだ。馬頭観音では毎年8月下旬、祭りが開かれているようで、金一封はこれに対する寄付ではないかと思われる。公職選挙法では、地元の祭りに対する政治家の寄付を禁じている。許される行為とは思えないが。

 念のためと思い、先日もう一度訪ねてみると、市議の名前は消えていた。例祭が終わった後だったので、今年の寄付者名に貼り替えられたようだ。紙も真新しくなっていた。市議は今年、寄付をしなかったのだろう。本人、あるいは事務所関係者が「まずい行為だった」と気付いたのだろうか。

 福岡市刊行の『ふくおか歴史散歩(第三巻)』によると、この馬頭観音は天明3年(1783年)、農民の善三が飼い馬の死を悼み建立したと伝えられるが、黒田藩士が愛馬を祭ったとの異説もあるらしい。明治20年(1887年)頃までは毎年7月23日に馬市が開かれ、近郊の農民たちが自慢の飼い馬を美しく飾って集まり、愛宕神社(現・福岡市西区)まで参拝していたという。数十頭、数百頭の馬が行進する姿は壮観だったようだが、都市化の進展で農耕馬が次第に少なくなり、この行事も廃れていったという。
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