蔦の絡まるチャペル

旧聞に属する話2010-西南学院講堂2

 ペギー葉山の『学生時代』のカラオケ映像には、この建物がお似合いかもしれない。かなり昔の話だが、「現実にあった蔦の絡まるチャペル」として新聞に取り上げられた記憶もある。写真は福岡市早良区にある西南学院中・高校の旧講堂。現在は西南学院大の博物館として利用され、キリスト教関係や創立者C・K・ドージャーにまつわる資料などが展示されている。

 西南学院中・高校が移転した際、いったん完全に解体されたので、「伝統ある建物を取り壊すとは!」と不快に思っていたら、きれいに復元された。保存のための解体修理であったのだ。以前に比べれば、外観がずいぶん明るい雰囲気になった。現在は福岡市の指定文化財となっている。

 建物の完成は1921年。設計は、明治末期から昭和初期にかけて、国内で数々の西洋建築を手がけたウィリアム・メレル・ヴォーリズ。彼の建物は、本拠だった関西地区に集中しているが、福岡でもこの建物のほかに、C・K・ドージャーの同僚宣教師によって創立された西南女学院(北九州市)などで目にすることができる。いずれも現役の学校施設として大事に活用されていることは、両学院だけでなく街にとっても大きな誇りと言って良いだろう。

 西南学院には現在、博物館と外観を統一した赤レンガの建物が立ち並び、福岡の中では“あかぬけした学校”として人気を集めている。大学は以前からそれなりにシャレたイメージがあったが、中・高校に関しては男女共学になった頃から、この流れが加速したようだ。

 男子校の時代は、相当にむさい男たちがあふれていた。特に中学校は、かわいらしい新入生が3年の間に別人のようにおじさん臭くなると地元民の間で評判だった。陰では「おっさん養成所」とも呼ばれ、「あの学校ではどんなおじさん化教育が行われているのだろうか?」と不思議がられたものだ。ところが、最近ではジュノンボーイコンテストとやらに出場した生徒もいたらしい。道のど真ん中に居座り、カーブミラーで髪をセットしている信じられない女子高生もいる。「そんなにチャラくていいのか、西南!」と思わぬでもない。
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