風物詩の青い電飾

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 福岡市早良区百道浜の福岡タワーに、恒例のイルミネーションが点灯された。タワー側面に輝くのは、高さ108mのクリスマスツリー。例年とまったく同じデザインで、正直見飽きた気分もしないではないが、これはこれで福岡の冬の風物詩の一つなので、野暮は言うべきではないのだろう。クリスマス当日の12月25日まで点灯されるらしい。

 タワーのイルミネーションは「ももち☆ブルーライトクリスマス2012」の一環で、タワー前広場にある木々も青いLED電球で飾られている。こういった青い明かりは「幻想的」と表現されることが多いが、否定はしないものの、少し寒々しい光景だとも思っている。10年ぐらい前までは本物の大きなツリーが広場に飾られ、明るい色彩のイルミネーションが周囲を彩っていたが、いつの間にか姿を消した。不況の影響だろう。

 青いLED電球は消費電力の少なさはもちろんだが、青い色には人を落ち着かせる効果があり、犯罪抑止にもつながるという理由で街路灯やイルミネーションに多用されているとも聞く。英国・グラスゴーで2000年、街路灯をオレンジから青色に変えたところ、犯罪が激減したという話が伝えられ、日本でも一気に広まったようだ。青色防犯灯を設置し、実際に街頭犯罪が減ったという地域も少なくないようだが、個人的には眉唾だと思っている。むしろ街路灯を変えてまで治安を良くしようという住民や行政などの意識が好結果を生んだのではないだろうか。

 奈良女子大の研究グループによる『青色防犯灯の犯罪抑止効果に関する実証研究』(2007年10月)に、住民意識について面白い記述がある。要約すると、住民の多くはマスメディアや自治会の情報により「青色光には防犯効果がある」と信じており、白色光から青色光に変えることにより、かえって通りが暗く、寂しくなっても防犯効果への期待からこれを是認しているというのだ。また、実際に街頭犯罪が減った地域も少なくないが、それは青色光の効果ではなく、「青色灯設置を契機とした日常の防犯活動充実に依るものとも考えられる」と指摘している。

 この実証研究の結びはかなり痛烈だ。青色灯の防犯効果を現実のものにするには設置者側の自主的努力が必要と述べたうえで、「実態の伴わない安心感の提供は、かえって危険性を増大させる」とまで強調している。青色の街路灯やイルミネーションを設置した程度で犯罪が減るのならば、世話はないといったところだろう。
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