愛国の雄叫び40年


 ●河野孔明に投票したことがある

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「ご当地の踏み絵」の宮崎人チェックのコーナーにこんな項目がある。河野孔明氏とは、1980年頃まで宮崎知事選、東京都知事選、参院選など様々な選挙に立候補を続けていた人物で、一度も当選はしていないが、宮崎ではちょっとした有名人だったらしい。ウィキペディアにもこの人の解説ページがちゃんとあるほどだ。

 当時を知る宮崎人によると、長いあごひげが特徴的な人物で、風貌にちなんでかヤギを連れ歩く姿を宮崎市内でよく見かけたそうだ。「選挙運動もヤギと一緒だった」という証言もあるが、こちらは信じ難い気がする。ウィキペディア以外の情報はないかと新聞の縮刷版をめくっていたら、参院選に出馬した際の選挙広告があった。キャッチフレーズは「愛国の雄叫び40年!」という味わい深いものだった。

 今総選挙の小選挙区立候補者1294人の顔ぶれを見ると、大半は政党の公認候補で、河野孔明氏のように徒手空拳で選挙戦に挑んでいる人は極めて少ないように思える。ネット掲示板で話題となっている埼玉4区の28歳無職候補が異質なぐらいだろうか。無職の候補はほかにも東京2区に出馬している(こちらは57歳)。

 小選挙区に立候補するための供託金は300万円。自分の得票が有効投票の10%に満たなければ、供託金は没収されるのだから、出る以上は相応の覚悟がいる。このあたりが供託金不要の町村議選とは違う。

 供託金ゼロであるがゆえに、昨年の長崎県・長与町議選(定数20)で信じられないような出来事があった。立候補者が締め切り直前まで19人しかなく、「無投票になるのならば」と、ある男性が無職の息子(27歳)の立候補を届け出たのだ。体よく就職口が見つかったという考えだったのだろう。ところが、「無投票は良くない」と別の立候補者が現れると、先の男性は息子の立候補を土壇場で取り下げ、結局、町議選は無投票となった。

 町議会に対するこの親子の歪んだ認識にはあきれるほかないが、ここまで甘く見られた議会側にも何かしらの責任があるのだろう。「誰でも簡単に務まる職場」としか思われていないのは明らかなのだから。(法定得票と供託金没収点を誤っていたので修正した)
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