アカミミガメ哀れ

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 福岡市中央区にある舞鶴公園(福岡城址)のお堀で、ある実験が行われている。網で囲った区画の中でハスが栽培されているのだ。この堀は水面をびっしり埋めるハスが名物だったが、数年前から激減している。実験を行っている福岡市はアカミミガメによる食害が原因とにらんでいる。カメが侵入できない囲いの中でハスが育てば、カメには有罪判決が下される。その場合、5日夕刊で報じた読売新聞によると、市はカメを別の場所に移動させる考えだという。

 数年前、佐賀城のお堀でもハスが全滅している。この時も同様の実験が行われ、この結果、アカミミガメの駆除が行われた。実験を行った研究グループは、併せてカメの駆除法についても研究している。アカミミガメが今後「特定外来生物」に指定された時に備え、研究グループによると「安全・安心な駆除法・殺処理法の確立が望まれる」ためだ。炭酸ガスや化学薬品を使った殺処理は「各地で大量に捕獲されることが予想されるカメの処分には適していない」のだという。

 そして、考え出された駆除法とは、カメをコンテナに入れたうえで鉄の蓋をかぶせて沈め、長い時間をかけて溺死させるというものだ。「処理に多少時間がかかるものの安全・安価・確実な手法として推奨できる」と研究グループは報告書に記している。飼っていたアカミミガメを長く苦しませた末に死なせてしまった私には批判する資格などないが、動物愛護の枠外にある外来種には安楽死の権利さえないのかとふびんで仕方がない。

 しかし、アカミミガメが厄介者扱いされている場所は、福岡、佐賀ともに城跡のお堀である。造られたのは江戸時代とは言え、人工の構築物だ。自然の河川や湖沼ではない。従って「外来種が固有の生態系を破壊する」という理屈はここでは成り立たない。福岡市が守りたがっているハスにしても、もともとはレンコンを食べるために人が植えたものだ。今ではレンコンを収穫する人などなく、カメに食べられたからと言って誰が被害を受けるわけではない。

 すでに佐賀で同様の実験が行われ、アカミミガメには有罪判決が下されている以上、福岡で逆転無罪となる可能性は恐らくゼロに近いだろう。福岡市の言い分通りならば、カメたちはどこかに移されることになるが、お堀に生息するカメは数百匹に上ると言われている。多数のカメを移せる場所など、果たして福岡市内のどこにあるのだろう。本当は殺処分する考えであるのならば、せめて苦しませることなく死なせてやってほしい。下の写真はお堀に生息しているアカミミガメ。昨年3月に撮影した。


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