朽ち果てたキレニア号



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 福岡市博物館裏の芝生広場に放置されていた「キレニア号」がついに朽ち果てた。一昨年5月に「2隻あった復元キレニア号」で取り上げた際は、老朽化しながらも辛うじて原型を保っていた。だが、2年ぶりに様子を見に行ったところ、横倒し同然に傾き、ボロボロになった船底を樹木が突き破っていた。

 福岡市にはもはや補修する考えなどないのだろう。だったら早急に解体・撤去すべきではないのか。立ち入り出来ないように一応は周囲をロープで囲ってはあるが、危険な状態であり、見た目も悪過ぎる。いくら財政難だとは言え、腐っても政令市だ。その程度の予算ぐらいは工面できるはずだ。

 「キレニア号」とは1967年、地中海キプロス島沖の海底で発見された紀元前の交易船で、博物館裏にあるのは、ギリシア政府の協力を得て日本国内で建造された復元船だ。長さ約14.3m、幅約4.4m。1989年(平成元年)、現在博物館があるシーサイトももち一帯で開かれた「アジア太平洋博覧会」で展示され、そのまま福岡市に寄贈されていた。

 建造費がいくらかかったかはわからないが、復元には3年の歳月を要したというから、かなりの金額ではあっただろう。金だけの問題ではない。半年間の期間中に800万人以上の入場者を集め、今も福岡市役所が胸を張るアジア太平洋博覧会の遺産のひとつなのだ。もう少し大事にしても良かったのではないだろうか。

 アジア太平洋博覧会の展示品の一部は、キレニア号のほかにも周辺にいくつか残っている。福岡タワー前広場の植栽には10体ものインドの神々の像が飾られ、百道中央公園の駐車場横にはヤップ島の巨大な石の貨幣とタイの祠サーンプラプームがある。以前には「アラン」と呼ばれるインドネシアの高床式米蔵2棟も近辺に置かれていたが、風雨で老朽化が激しく、2004年7月に撤去された。


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 <追記>2013年11月、博物館の裏手に行ってみると、キレニア号はきれいに撤去されていた。夏頃までは朽ち果てた姿をさらしていた記憶があるので、秋以降に撤去作業が行われたのだろう。

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