カメは繁殖していない


 先日、福岡市中央区・舞鶴公園のお堀にカメの餌をまいたところ、一気に10匹ぐらいが集まってきて大喜びで食べ始めた。与えた餌はコメット「カメのおやつ」。乾燥させた川エビで、我が家で飼っていたアカミミガメのマルくんが一時期、大好物だったものだ。マルくんは私の不注意で今年1月に死なせてしまったが、月命日にはこれをお供えしており、その後は公園のカメたちにおすそ分けすることにしている。

 「カメのおやつ」に殺到したカメたちは、オスと思われる爪の長い個体を除き、どれもが甲長20cmを優に超えていた。また甲羅の汚れ具合を見ると、恐らく長い年月をここで暮らしてきたのだろうと思える。ここには多数のカメが生息しているのだから、間違いなく子ガメが誕生している。2年前に初めて子ガメを目撃して以来(「お堀で子ガメ発見」参照)、毎年春以降は注意して観察するようにしており、現にこの春にも生まれて間もないと思える1匹を目撃した。ところが、成長した子ガメを見たことは一度もないのである。

 毎年のように子ガメが生まれ、これが育っているのならば、お堀には様々な大きさのカメが生息しているはずだ。しかし、上にも書いたように、餌をまいた際に寄ってくるのは、いつもいつも大きなカメたちばかり。ひょっとしたら、このお堀では子ガメは誕生してもほとんど育たない、つまり厳密な意味での繁殖は行われていないのではないだろうか。

 この推測が仮に当たっているとすれば、理由はいくつか思い浮かぶ。「お堀で子ガメ発見」にも書いたが、公園一帯にはアオサギやカラスが多数生息しており、目撃したことはないが、子ガメは彼らに捕食されている可能性がある。また、お堀の環境(餌の質・量や広さ、水質など)自体がそもそも子ガメを養える状況にはないのかもしれない。これも以前に書いたが、カメたちは人から与えられる餌でかなりのカロリーを確保しているようにも思えるのだ。

 このお堀で、カメの駆除につながり兼ねないハスの生育実験が行われていることを2月に紹介した(「アカミミガメ哀れ」参照)。あれから3ヶ月以上が経ち、ハスの生育状況は写真のようになった。囲いの内外で生長具合にはさほど差がないように見えるが、さて、どのような結論を福岡市は出すのだろうか。ハスの生育実験も良いが、ハスを含めたお堀の環境を守りたいのならば、ここに生息するカメの生態を調べる方が有益だった気がする。
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