給食費滞納75万円


 福岡市東区に給食費を75万6429円も滞納している一家がいる。市は支払いを求める訴訟を起こすことを決め、現在開会中の福岡市議会に議案を提案している(下の写真が議案書の一部。黒塗りは市)。しかし、非常に不可解な話である。福岡市は2009年度ごろから、滞納額が概ね10万円を超えた時点で法的措置に訴えてきた。給料を差し押さえたケースさえ過去にはあったらしい。このケースでは滞納額がこれほどの金額になるまで、なぜ手をこまぬいてきたのだろうか。

 75万円を超える給食費滞納など全国的には極めて稀な事例だと思えるが、福岡県内に限れば、実はそんなに珍しい話ではない。4年前の2009年暮れ、飯塚市が同様の訴訟を起こした際の滞納額は最高で94万円にも上っていた。だからなのか、福岡市の75万円滞納は新聞等で特に報じられた様子もなく、議会でも(質問通告を見る限り)議案質疑や一般質問で取り上げた議員もいなかったようだ。

 福岡市の1ヶ月当たりの給食費は現在、小学校が3900円(昨年4月に値上げされるまでは3500円)、中学校が4600円(同4200円)。値上げ前で計算してみると、小中学校の9年間の給食費の総計は約37万円となる。75万円滞納世帯の家族構成などは当然ながら明らかにされていないが、単純計算すれば、2人の子供の給食費を延べ18年間全く支払わなかったことになる。

 冒頭書いたように滞納額が概ね10万円を超えた時点で福岡市は法的措置を講じており、現にこの議会に和解が提案されている世帯の給食費滞納額は17万5129円(延滞金などを合わせた請求額は23万8289円)だ。福岡市議会の公式サイトに残っている過去の資料を見ても、裁判にまで発展した滞納事例はすべて10万円台。75万円滞納世帯が存在するのはミステリーと言っていいぐらいだ。この世帯がどんな主張をして支払いを拒んできたのか、市はいかなる対応を取ってきたのか、可能な限り詳らかにして欲しいものだ。

 給食費滞納の割合は全国的には1%程度。生活保護不正などと同様「誤差の範囲内」と問題にしたがらない人はいる。しかし、福岡市では滞納率は確かに2%に満たないとは言え、滞納額自体は毎年6000万円を超え、2011年度末での累計では2億8000万円にも上っている。「誤差の範囲内」と無視できる金額とは決して思えない。ただ、一応付け加えれば、昨年の給食費値上げと巨額の滞納は無関係らしい。滞納分は市が一般会計から穴埋めしているためで、要するに血税が充てられているわけだが…。


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