人気店の唐突な閉店

IMG_0257.jpg

IMG_0262.jpg

 書くべきかどうか少し迷ったのだが、各種食べ物ブログに現在も多数の記事が残されている店なので、一応報告しておきたい。福岡市早良区西新3丁目にあったケーキ店「ラトリエ・ドゥ・フラウ」が閉店している。先日まで入り口ドアにあった貼り紙には<突然ではございますが、当店「ラトリエ・ドゥ・フラウ」は平成25年7月25日をもちまして閉店することになりました>と書かれ、顧客らへの感謝・謝罪とともに今後の連絡先として地元の弁護士名が記されていた。恐らく経営破綻したのだろう。

 世界的に名の知られたパティシエが2009年1月に開いた店で、駐車場や道が狭いためもあるが、週末はガードマンが交通整理をしなければならないほど多くの来店者でにぎわっていた。私には少し敷居が高い店だったので、2、3度しか利用したことはないが、どの品も確かに美味しかった。また、中央区天神のデパートに出店したり、本店近くに喫茶コーナー(2枚目の写真)を開設したりなど経営規模を拡大しているように見えたので、今回の閉店は唐突な感じがして、正直なところ驚いた。

 閉店の詳しい理由は知らないが、仮に売り上げ減が理由ならば、福岡という街は人気店と言えども生き残るのが難しいところだとつくづく思う。この状況を、激しい淘汰が飲食店のレベルの高さを生んでいると好意的に評価する意見はある(例えば、『日本全国都市の通信簿』岩中祥史、草思社、2007)。

 食道楽などできる身分ではないので、生き残っている店がどれだけレベルが高いのか私は知らないが、飲食店以外に枠を広げると、西鉄ライオンズ、劇団四季の専用劇場、(商業施設としての)マリゾン等々、一世を風靡しながら消え去っていったものが福岡には数々ある。単に「熱しやすく冷めやすい」という市民の気質が影響しているだけではないかと思える。「ラトリエ・ドゥ・フラウ」で検索すれば、今もなお「極上スイーツの店」などと激賞する過去に書かれたであろうブログはあふれているのに、「閉店が残念」と嘆く人はいないのである。多くの人にとっては、もはや忘れられた存在だったのだろう。

 「ラトリエ・ドゥ・フラウ」を開いたパティシエは京都出身だが、<1>住みやすい<2>九州は食材の宝庫<3>店舗等の条件――などを理由に福岡出店を決めたらしい。<1><2>の条件については私も賛同するが、長く店を続けるには市民の気質という点も考慮する必要があったという気がする。

 なお、蛇足ではあるが、「ラトリエ・ドゥ・フラウ」が店を構えていた場所からの飲食店撤退は、私が知る限りで4軒目である。もうほとんど忘れていたが、私が転勤先から福岡に戻ってきた時、この場所には居酒屋の養老乃瀧があった。客が減り始めると、この店は店内に駄菓子屋を併設したため、小学生が駄菓子を買いに昼間からぞろぞろと居酒屋に入っていた。事情を知らずに初めてこの光景を見た時はギョッとしたものである。
関連記事
スポンサーサイト
[Edit]

コメント

非公開コメント

いつも読んでます

最近、この辺に引っ越してきたものですが、昔はよかとぴあ通りとの間がガススタンド?だったらしく、通りから看板がよく見えていたようですね。マンションが建ってから店の存在がわかりにくくなってました。SideTableは本店の宣伝効果も狙った起死回生の策だったのでしょうが、あっという間に潰れました。最後はスタッフを回す余裕も無く、休業状態でテナント代だけかかっていたと思います。結果的に本店の寿命も縮めてしまったのでしょう。

本店の駐車場整理のお爺さんが気さくで優しい方だったのでいきなり会えなくなって残念です。お店も時々利用していたんですけどねえ。どうもこの界隈の方は地元の店に冷たい気がします。ボンラパスにはずっと残って欲しいです。

Re: いつも読んでます

こんな変なブログにご訪問いただき、ありがとうございます。
駐車場整理のガードマンさんが気さくで優しい人だったのは全く同感です。
客でもない、通りすがりのおじさんにもいつもあいさつしてくれ、気持ち良かったですね。

オープンから、車の誘導警備を務めていた者です。オーナーの山本様にはとてもお世話になっていたので、残念です

コメントありがとうございました

話題のガードマンの方にご訪問いただき、お恥ずかしい限りです。
ブログにも書きましたが、私自身は何度も買い物をしたわけではありませんが、誰もその味を絶賛していたはずの店が突然なくなり、寂しい限りです。

はじめまして。
詳細ありがとうございます。
昨年大阪のバレンタインイベントに出店されていて、今年の出店も楽しみにしていたのですが、閉店されていたのですね。残念です。

Re: タイトルなし

コメントありがとうございました。
お役に立てたようで、幸いです。