百道浜に大学

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 今さらの話だが、福岡市早良区百道浜に大学ができている。最初に気付いたのは今年5月頃だっただろうか。パナソニックが入居していたはずのビルに、いつの間にか「国際医療福祉大学」の看板が掲げられていた。栃木県大田原市に本拠を置く大学だが、福岡市にも4年前から、福岡看護学部が中央区長浜の旧水城学園の建物に置かれていた。旧水城学園が老朽化し、耐震性にも問題があるため、パナソニックからビルを買い取り、今年4月に移転してきたということらしい。

 大学の本拠は栃木県大田原市と書いたが、福岡県大川市発祥の医療法人「高邦会」のグループ大学で、この百道浜にはすでに2009年、同会や関係学校法人が経営する福岡山王病院や専門学校が開設されている。これらの施設が建てられたのは、もともとは市が市立中学校用地として確保していた場所だ。しかし、百道浜地区の中学生数が予想程には増えなかったため建設が見送られ、塩漬けになっていた経緯がある。

 普段は臨時駐車場として利用され、ドームでホークス戦がある時などは重宝されていたが、2006年、突如として高邦会に売却され、大病院が建設されることになった。近くには個人病院が並ぶ地区があるのにである。当然ながら医師会の反発は大きかったようだ。高邦会役員が当時の市長・山崎広太郎氏の後援会関係者だったため、市長サイドが用地確保に便宜を図ったと疑う声もあり、市議会でもしばらく問題になっていた。当時の議事録には、高邦会について「各地で医師会を無視し、トラブルを起こしている“医療界のライブドア”」と指弾し、同会進出に強硬に反対する意見さえ記録されている

 ところが、今回の国際医療福祉大の百道浜進出に対しては、市議会は何の反応も示さなかったようだ。それどころか、移転を報じた報道機関さえ少なかったように思う。すでに市内にあった学部の移転に過ぎないうえ、パナソニックと高邦会グループによる民間同士の取引だったためでもあるだろう。

 しかし、福岡看護学部が移転してきた場所はソフトリサーチパークと名付けられ、市の土地利用計画ではIT産業の集積地とされていた場所なのである。ITとは無縁の大学進出に関し、市なり市議会なりから何らかのリアクションがあって然るべきだった気がする。

 開院当初はガラガラだった福岡山王病院だが、最近は来院者で連日ごったがえしている。この病院の医療・サービス水準が市民の信頼を得たためだろう。加えてソフトリサーチパーク周辺はただでさえ閑古鳥が鳴き、特に飲食店などはテナントの入れ替えが激しい場所だ。高邦会グループの大学という安定した入居者が現れ、市としては御の字なのに違いない。当初の土地利用計画など、もはや気にする市幹部や市議などいないのだろう。土地利用計画など、その程度の代物なのだ。

 百道浜地区で最大の面積を占めているのは、今となっては高邦会グループだろう。国内各地で数々の大病院を経営し、医療福祉系の大学・専門学校も抱える同グループだが、肝心の医学部だけは持っておらず、医学部設立が宿願となっているらしい。本拠たる大田原市への設立を検討しているようだが、この際だから福岡市は、同大学医学部の百道浜誘致へ名乗りを上げたらどうか。百道浜の住宅地は高級住宅街として圧倒的存在感を誇っているが、ソフトリサーチパークなどの業務用地の方は“千葉・幕張の劣化版”でしかない。医療・福祉・教育の専門地区に生まれ変われれば、こちらにも少しは存在意義が出てくることだろう。
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コメント

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百道浜に…

あの中学校予定地に、こども病院が
移転できたらなら、どんなに便利だったでしょうか