先生の常識

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 北九州市で昔、こんな教師の話を聞いた。勤務先の小学校の卒業式の日、この教師は年休を取った。別の学校に通う自分の子供もこの日が卒業式だったためだ。ところが、卒業式当日、教師は勤務先の学校に姿を現した。そして、校門前で行われていた日の丸・君が代反対行動に参加すると、ひとしきり「日の丸ハンターイ!」などとシュプレヒコールを上げた後、さっさと自分の子供の卒業式に向かったという。

 容易には信じ難い話だが、この教師が卒業式を妨害したことを理由に市教委から処分を受けた際に聞いたので、恐らく実話なのだろう。この教師はいくらなんでも卒業生の担任ではなかったのだろうとは思う。だとしたら自分の家庭を優先し、勤務先の卒業式を欠席するのは「あり」かもしれない。政治信条も人それぞれだろう。しかし、自分の学校の卒業生にお祝いの言葉一つかけるでもなく、ただひたすら日の丸・君が代への憎悪を吐き出して卒業式を邪魔する必要はないだろうにと思う。

 この教師の心情を図示すれば、“自分の家庭=自分の政治信条>>>>>勤務先小学校の子供たち”といった感じなのだろう。

 最近、『先生のための実践マナー講座』(学事出版、2003)なる本を読んだ。「教師の常識=社会の非常識」という視点から、世の教師たちに社会人として最低限のマナーを説き教えるという本だ。編著者は新学校システム研究協議会となっているが、どうもこれは福岡県内教師たちのグループらしい。

 福教組(日教組の下部組織)の教師たちの礼儀知らずの行動にウンザリしていた福岡県教育委員会が裏で手を引き、校長らに啓蒙本を書かせたのではないかと私は推測している。何しろ、「Tシャツや短パン、Gパンやポロシャツ、ジャージで授業をするな」と指導するこの本に対し、福教組は「服装は個人の自由だ」と猛反発したらしいから。

 福岡市で以前、ある有名な事件で市教委から処分を受け、取り消しを求めて裁判で争っていた教師がいたが、そう言えば、テレビで見るこの教師はいつもトレーニングウェア姿だったような気がする。あの格好で裁判にも出廷していたのだろうか。

 実はこの本については数年前、「教師にマナーを教える本が面白いぞ」と人から聞いたことがあったが、別に教師ではないから関心もなかった。たまたま図書館で目にしたので借りてきたのだが、恥ずかしながら私自身がろくにマナーを知らない、育ちの悪い人間なので、別に面白くはなかった。面白くはなかったが、非常にためになった。例えば、トイレでたまたま管理職とバッタリ会った時は軽く目礼するぐらいがかえって礼儀正しいらしい。私はトイレでも上司に大声であいさつし、考えてみれば嫌な顔をされていた。定年前なのに平社員のままのはずである。まあ、あいさつひとつ満足にできない福教組の教師たちよりはましだと思っているが。
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