キレニア号こっそり撤去

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 福岡市早良区の市総合博物館裏で朽ち果てていた復元「キレニア号」がいつの間にか撤去され、裏庭はガラーンとした状態になっている(写真上、2月2日撮影)。

 私が気付いたのは昨年秋ごろのことだった。昨年5月に「朽ち果てたキレニア号」という記事を書き、「危険な状態であり、見た目も悪過ぎる」から早急に解体・撤去すべきだと訴えたことがある。だから撤去自体には何の異議もないのだが、アジア太平洋博覧会の遺産の一つとして存在感のある代物だったのに、その割には何の公式アナウンスもないまま“こっそり”解体されてしまったなというのが正直な感想だ。

 「キレニア号」とはキプロス島キレニア沖の地中海に沈んでいた古代の交易船。船内からは404個もの把手付きの壺が見つかったといい、オリーブオイルやワインを運んだものとみられている。博物館裏にあったのは、木船製造で有名な静岡県松崎町の岡村造船所によって建造された復元船で、長さ約14.3m、幅約4.4m。1989年に開かれたアジア太平洋博に展示され、博覧会終了後に日本IBMから福岡市に寄贈されていた。

 以来20年以上。博物館2階の展望ロビーから船の全景を眺めることができ、博物館もそれなりに存在をアピールしていたが、維持・管理にはほとんど手を掛けていなかったものと思われる。2枚目の写真は2011年5月の撮影だが、この時は辛うじて原型を留めていたものの、右舷などはすでに崩壊が進んでおり、解体・撤去されるのもそう遠い先ではないだろうと思っていた。(「2隻あった復元キレニア号」

 博物館近くの百道中央公園には以前、やはりアジア太平洋博の展示品だったインドネシアの高床式米蔵「アラン」2棟が残されていたが、老朽化により2004年7月に解体・撤去された。この時、福岡市は「危険なので撤去する」と公式発表し、マスコミも報じていた記憶がある。

 ところが、今回の「キレニア号」撤去に関しては、冒頭書いたように市からは何の発表もなかったと思う。市と市議会の公式サイトで検索しても解体・撤去について何一つ情報が掲載されていないから、恐らく間違いない。せっかくの寄贈品を放置したまま朽ち果てさせ、さすがの福岡市も恥ずかしかったのだろうか。
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