こども病院建設現場

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 先日、福岡市東区香椎に行った際、ふと思い立って博多湾人工島まで足を延ばして来た。JR香椎駅から徒歩で20分弱。現在は中央区唐人町にある市立こども病院の移転先が人工島に決まった時は、反対する市民から「アクセスが悪過ぎる」と散々酷評された。しかし、福岡市の東の副都心から、くたびれた中年男が歩いて20分程。確かにアクセスは良くはないが、ことさら僻地にあるわけではない。バスを使えば、数分の距離だろう。

 その新こども病院建設工事は今年11月の開院を目指し、急ピッチで進んでいた。移転に反対する市民らは事ここに至っても矛を収めていないが、現在の病院を中心に生活設計をしてきた患者家族にとっては譲れない一線なのだろう。しかし、現病院の老朽化が進む中で、近代的な新病院の完成を待ちわびる患者家族もまた少なくないはずだ。

 4000億円以上の巨費が投じられた人工島事業は、造成した土地を売って儲ける狙いだったが、折からの不況で土地売却が進まず、長く福岡市の不良資産となってきた。その対策として市が強引に進めたのが、こども病院をはじめとして青果市場、市立体育館といった市関連施設の人工島移転だ。さらに港湾用地については分譲価格を引き下げ、進出企業に対する立地交付金を大幅に増額(上限額を10億円から30億円に)することで、何とか完売にこぎ着けた。しかし、これで人工島事業は儲けるどころか大幅赤字に転落した(「人工島事業、385億円の減収」)。

 この事業、現段階では福岡市の歴史に残る大失政と言えるだろう。最も責められるべきは、バブルが弾けた後も無理やり人工島埋め立てを進めた今は亡き3代前の市長、桑原敬一氏だと思う。桑原氏の後を継いだ山崎広太郎、吉田宏、高島宗一郎の3氏にとって人工島とは迷惑極まりない負の遺産であったに違いない。活用策を提示する度に厳しく批判され、挙句の果てにこども病院移転では「子供の命を犠牲にするのか」とまで叩かれた。現職市長が批判の矢面に立たされるのは仕方がないことであり、自ら望んで市長になったのだから被害者呼ばわりはできないが、お決まりの「許されません」というフレーズでただ反対すれば良い共産党などの野党議員がさぞかし憎らしかったことと思う。

 人工島事業は、やるべきでなかった無駄な公共事業だったと思う。しかし、造ってしまった以上は有効活用せざるを得ないことも確かだろう。現実に福岡には場違いな程の近代的街づくりが現地では進んでいる(下の写真)。共産党や一部無所属議員のように、ただひたすら人工島への憎悪をむき出しにしたところで、事業の赤字が減るわけでも土地が売れるわけでもない。彼らにまともな対案があるのならば、ぜひ聞いてみたいものだ。


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