お堀が地面のように

旧聞に属する話2010-アカウキクサ

 福岡市中央区にある舞鶴公園のお堀の一部がアカウキクサで覆われ、まるで赤土のグラウンドのような状態になっている。ハスが群生しているうえ、水面も所々のぞいているので、辛うじて濠だとわかるが、ハスのない時期には水が干上がったと勘違いするかも知れない。実際、数年前には小学生が地面と間違え、転落したケースがあったと聞く。

 アカウキクサというのはシダの一種の水草で、以前は全国各地の水田で繁茂していたが、農薬で激減、在来種は今では絶滅危惧種になっているという。もっとも最近は、よく似た外来種がしぶとく生息地を広げているらしい。専門家ではないので、このウキクサがどちらなのか見分けはつかないが、お堀を管理している福岡市もわかってはいない雰囲気だ。だから、保護か除去かで右往左往した。

 見た目も悪いので、最初は迷うことなく取り除いていたようだが、どうやら希少な植物らしいという情報が入ってきた。そこで、一転保護(正確にはそのまま自生させておく)の方針を決めたのだが、途端に小学生の転落が起きてしまった。結局除去することに方針を再転換、同時にアカウキクサが希少な植物だとは一切言わなくなった。

 小学生の転落は、水深が浅いこともあり、大事には至らなかった。とはいえ不慮の事態は起こり得る。除去の判断が間違いとは思わないが、だったら「絶滅危惧種がお堀に自生していた」といったん保護を決めた時のはしゃぎっぷりは何だったのかといぶかる。このお役所、昨年は「学校に植えられているキョウチクトウには毒がある」という匿名メールに過剰反応、学校に伐採を指示したところ、市民の猛反発を受け、すぐさま撤回したこともあった。良く言えば臨機応変だが、悪く言えば無定見。いかにも福岡市らしいと思う。
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