仙道古墳

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 福岡県筑前町久光にある国史跡・仙道古墳公園で少し意外な風景に出くわした。仙道古墳は6世紀に築造された2段式の円墳で、周囲は芝生広場として整備されているのだが、その広場がパークゴルフ場として利用されていたのだ。違和感を持たないではなかったが、地上にコースを設定しているだけに過ぎない。桜などを植樹して地下の遺構を破壊するよりも、よほど真っ当な利用法なのかもしれない。運悪くパークゴルフの大会でも開かれていたら、落ち着いて古墳の見学など出来なかったとは思うが。

 仙道古墳は圃場整備に伴い1977年、県教委による発掘調査が行われた。この調査によって2段式の円墳であることや石室内には円や三角形などの幾何学文様が描かれていることが判明し、翌78年5月には国史跡に指定されている。墳丘の直径は33m、外濠までを含めれば47mと結構な大きさだ。この古墳を含め、一帯には阿弥陀ヶ峯古墳群と呼ばれる約50基の円墳があるが、仙道古墳は中でも最大だという。

 この古墳公園にはパークゴルフ場のほか、もう一つ特徴的なものがある。墳丘の周囲や墳丘上にかなり大きな円筒形の埴輪が並べられていることだ。人の形をした埴輪は少々間の抜けた表情をしており、史跡公園としての重みを失わせているように思えるが、発掘調査によって出土した埴輪の忠実なレプリカらしい。しかも、この埴輪は“盾持武人埴輪”と呼ばれる貴重なもので、九州では出土自体が珍しいというから驚く。人はもちろんだが、埴輪も見かけだけで判断してはいけない。本物は町の歴史資料館に展示されているという。

 石室には幾何学文様が描かれ、そのレプリカが公園の一角に展示されている。明治時代に盗掘に遭い、発掘調査の時点では石室の天井石だけは抜き取られていたという。「珍敷塚古墳」でも書いたが、石材が乏しい筑後平野では業者が古墳を破壊したケースが多かったらしい。仙道古墳の天井石も恐らく、庭石などとして利用するため持ち去られ、文様が描かれた石材は商品としては使い物にならないため残されたのだろう。

 しかし、いくら石材不足だったとは言え、古墳、つまりは墓の石を庭石に使うなど趣味が悪すぎる気がする。たたりなどはなかったのだろうか。
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