学校給食から消えた中国産食材


 福岡市の学校給食から今月、中国産食材が消えている。市の公式サイトに掲載されている「11月に学校給食で使用する食材の産地」を見て気付いた。10月までは緑豆春雨をはじめとする複数の中国産食材が一貫して使われていた。中国産がすべて悪いわけではないとは思うが、恐らく多くの市民が安全性に疑念を持っていることだろう。そんな中国産食材が一掃されたということはニュースではないかと思うが、市や市教委が積極的にPRした様子はない。騒げば、過去にどれだけ中国産を使ってきたかに注目が集まり、かえって藪蛇になると思ったのだろうか。それとも中国を刺激したくなかったのだろうか。(写真はきょう11月17日の学校給食メニュー。福岡市学校給食公社のサイトから)

 先月はどんな中国産食材が給食に使われていたのか。小学校を例にとると、緑豆春雨のほかに味付け鶏レバー、きくらげ、缶詰マッシュルーム、きくらげの佃煮、だし昆布、乾燥わかめ、海藻ミックスの計8種類。遡って調べたところ、上記の食材のほか、イカ、アサリ、ヒジキなどが使われた際はほぼ100%中国産だった。これら以外にもイチゴジャム、はちみつ&マーガリン、がんもどき、きな粉、ぜんまい水煮、ビワゼリー、梅肉ペーストなどの中国産食材が度々登場している。イチゴジャムやはちみつ&マーガリンまでメイド・イン・チャイナだったのである。

 では、上記の食材が今月はどこの産地に変わったのか。春雨は北海道・宮崎・鹿児島・アメリカ産に、アサリは熊本・愛知産、イカは長崎の五島沖産、だし昆布は北海道産、乾燥わかめは韓国産となっている。毎月の給食献立になぜか必ず使われてきた味付け鶏レバー、缶詰マッシュルームなどは代替品が見つからなかったためか追放されたようだ。

 10月までは毎月ほぼ10種前後の中国産食材が使われていたのに、今月に入った途端、一気にゼロになったのである。いったい理由は何なのか。これはあくまでも私の想像だが、福岡市と同様、学校給食に中国産食材を多用していることを週刊誌にたたかれた杉並区の例が影響したのではないかと思う。批判された同区は先月、「保護者の不安を払拭するため」という理由で中国産使用を取りやめた。恐らく福岡市はこれを受け、慌てて中国産不使用に踏み切ったのではないだろうか。

 繰り返すが、中国産すべてが悪だと決めつけるわけではないが、報道されている中国の食品製造事情を踏まえれば、どうしても安全性への懸念は付きまとう。だから多くの市民は今回の措置を歓迎するとは思うが、だからこそ市や市教委はどのような理由で今回の措置を取ったのかきちんと説明すべきだろう。

 安全性に疑問符がついているのに長く中国産にこだわってきたのは、単に安いからだろう。国産等に切り替えれば、当然コストはかかる。今回は一過性の措置なのか、それとも今後長い期間にわたって中国産を学校給食から排除していくのか。後者だった場合、コストの上昇を献立を質素にすることで乗り切るのか、それともいずれは給食費に上乗せする考えなのか。疑問点は少なくない。16日の市長選で圧倒的な票を集め再選された高島市長にはぜひ、お得意のフリップを使って明快に説明してほしいものだ。

 【追記】11月26日の西日本新聞朝刊に福岡市の給食費が来春から値上げされるとの記事が出ていた。上げ幅は小学校が300円、中学校が400円で、これにより給食費は小学校が4,200円、中学校が5,000円となる。福岡市の給食費は2012年4月、12年ぶりに各400円値上げされたばかりだが、報道が事実ならば、今回はたった3年で再値上げとなる。理由は食材費の値上がりということだが、恐らく中国産食材の追放も関係していることだろう。市教委のサイトには12月に給食で使用する食材産地がすでに掲載されているが、やはり中国産は一切なかった。


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