福岡市職員の給与

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 福岡市職員に10日、冬のボーナスが支給された。行政職(平均年齢は41歳11月)への平均支給額は80万60円で、昨年に比べ約1万円のマイナス。不況に伴う税収減で据え置きかマイナスが続いてきた市職員給与だが、今後は久々のアップが見込まれている。市人事委員会が9月、職員給与の引き上げを市長らに勧告したからだ。引き上げ幅は1.1%。12月議会で関係議案が可決され勧告通りに給与が改定されれば、市職員の平均年収(給与+ボーナス)は7万円アップし約640万円になるという。

 引き上げの理由は、現在は民間の給与を下回っており、同水準に是正するためだという。「公務員優遇だ」という批判は恐らく多いだろうが、福岡市議の報酬(政務活動費を含め年間1840万円!)のバカ高さを思えば、職員給与についてはあまり目くじらを立てる必要がないと私は考えている(私は市職員ではないし、身内にもいないので念のため)。

 東日本大震災の例を見てもわかるように、大災害や大事件が起きれば、自治体職員は不眠不休で仕事を強いられる。選挙だけが唯一の大仕事という議員とはこの点が大きく違う。きちんとした人材を確保するためにも、ある程度の待遇を保証するのは当然だと思うからだ。だから、市職員給与引き上げ勧告がニュースになった際も格別何とも思わなかったのだが、家族が首をひねった。「民間と同じ水準にするというけれど、福岡市の民間企業って平均年収が640万円もあるの?」。

 言われてみれば、日本のサラリーマンの平均年収は400万円を超えた程度だ(2012年国税庁調査)。福岡で200万円以上も上回っているなど考えられない。慌てて福岡市公式サイトに掲載されていた人事委員会の発表資料を確認したところ、人事委員会が参考にした「民間」とは、従業員数が50人以上の事業所であることがわかった。平均年収640万円とは、福岡市内にある従業員50人以上の843事業所の中から、無作為抽出した189事業所を調べた結果だったのだ。

 従業員50人の事業所とは一般的には中小企業に分類されるが、地方都市では必ずしもそうとは言い切れない。2012年の経済センサス(経済構造調査)によると、福岡市にある民間事業所は7万5362で、従業員の総数は82万8494人。1事業所当たりで11人弱。全事業所のうち、従業員50人以上はたった1%強に過ぎないのだ。市内ではまさしく大企業なのである。実際に従業員1,000人以上の本当の大企業でも平均年収は600万円程度らしい。市職員の給与は、いわゆるエリート民間企業と比較して決定されていたのである。

 「年収640万円」の謎は簡単に調べがついたが、こうなると、市職員の給与に本当に目くじらを立てる必要がないのか少々怪しく思えてきた。待遇に見合うだけのサービスを彼らは市民に提供しているだろうか。せっかくの好待遇を不祥事でふいにする職員も多すぎる気がする。匿名掲示板2chの中に「福岡市役所専用」と銘打たれたコーナーがある。利用者が本当に市職員なのかは不明だが、高島市長を無能扱いし、彼を選んだ市民をバカ呼ばわりする書き込みで満ちている。興味がある方はぜひ一読をお勧めする。
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