城島酒蔵開き



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 福岡県久留米市城島町で14、15日開かれた第21回「城島酒蔵開き」に行き、“日本酒の新酒”をたらふく試飲してきた。心臓が弱っているうえに血糖値も高く、本当はこんな呑兵衛の祭典に参加できるような状態ではないのだが…。

 酒蔵開きには地元の九つの蔵元が参加。メイン会場には40種の新酒が並び、500円でお猪口で6杯まで飲み比べを楽しめた。ただ、お猪口程度では到底満足できない来場者が多かったようで、会場のあちこちでは買ったばかりの新酒の瓶を開けての酒盛りが始まっていた。酔いつぶれて寝てしまった人は1、2人見掛けたものの、誰もが笑顔で新酒を楽しんでおり、非常に良い雰囲気のイベントだった。

 ところで、冒頭でわざわざ“日本酒の新酒”と断ったのは、恐らく「福岡=焼酎」というイメージを持っている人が多いだろうと思ったためだ。信じ難いかもしれないが、昭和の一時期、福岡は灘、伏見に次ぐ日本酒生産量を誇ったことがある。現在では都道府県別で10位以内にも入っていないようだが、今なお各地には多数の酒蔵が残り、かつて酒どころと呼ばれた頃の名残をとどめている。

 それなのに、なぜ福岡の日本酒の知名度が低いのかと言えば、造った酒の多くを灘の大手酒造会社に桶売りし、自前のブランドを育てなかったためだと言われている。つまり福岡の蔵元は灘の下請け的な存在だったのだ。

 しかし、日本酒の消費量が右肩下がりとなってその地位が揺らぎ始め、さらには顧客だった灘の酒造会社が1995年の阪神・淡路大震災で被災し、一時買い入れを中止したことが大打撃になったと聞いた。城島酒蔵開きが今年で21回目ということは、まさに1995年に始まったことになる。震災を契機に、城島の各酒蔵が自前のブランドで勝負を始めたという見方もできるだろう。

 私が学生だった昭和時代の後期、福岡の学生たちが初めて口にしていた酒はビールと日本酒で、コンパと言えば、大きな薬缶に入れガスコンロでカンをした日本酒が付き物だった。鹿児島、宮崎出身の友人たちが当たり前に焼酎のお湯割りを飲んでいるのを見て、カルチャーショックを受けたぐらいだ。「福岡=焼酎」というイメージが現在あるのは否定しないが、それは比較的近年に作られたイメージであることを強調しておきたい。酒蔵開きの盛況を見れば、ここはまだ「日本酒文化圏」に片足を突っ込んでいる気もする。


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 飲み比べは、40種の新酒をA(普通酒~本醸造酒)、B(純米酒)、C(吟醸酒~大吟醸酒)の3クラスに分け、各クラス2杯までを飲める仕組みだ。
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コメント

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こんばんは。先日はコメントにお返事頂きありがとうございました。
九州の人は全員焼酎を飲むんだ、という焼酎ブーム以降の世間のイメージって大変ですよね。
わたくしは30代前半ですが、北部九州出身の為か日本酒好きです。むしろ焼酎が受け付けないのです。
飲むだろうと思われて焼酎のボトルが準備されることが多々あり、うわぁ〜!どうしよう!という心境に陥ります。
そう言えば先日お伝えしたプレミアノンアルコールは、ビールのことでした。言葉足らずで恐縮です。

Re: タイトルなし

コメントありがとうございました。
九州人だから焼酎を勧められるという話、お気持ちお察しします。
事情は異なりますが、私にも似たような体験があります。就職後に私が最初に赴任した街は、酒と言えば、焼酎のお湯割りが出てくるところでした。最初はこれが苦痛で、飲み会が嫌いになりました。
今では焼酎でも日本酒でもウイスキーでもなんでも美味しくいただく大酒飲みですが。