ラグビーW杯、福岡市は危なかった


 2019年に国内で行われるラグビーW杯の会場が2日発表され、九州からは福岡、熊本、大分の3市が選ばれ、長崎が落選した。“ラグビーが盛んな土地柄”という点から見れば、熊本の選出を意外に感じたが、3日の朝日、読売両紙などによると、むしろ危なかったのは福岡だったらしい。福岡の評価が低かった理由までは書かれていなかったが、恐らく他会場に比べ、レベルファイブスタジアム収容人員(約22,000人)の少ないことがネックとなったのだろう。

 会場に立候補していたのは15都市で、このうち12都市が選ばれた。しかし、国際統括団体の「ワールドラグビー」(WR)は運営費増大を防ぐため10会場に絞る方針だったとされ、朝・読両紙の記事によると、この場合、福岡市と埼玉県熊谷市が落選だったという。しかし、両市ともラグビーの裾野が広い街であり、福岡はトップリーグ所属のコカ・コーラ(ほかに九電が一時所属)、高校ラグビーの強豪・東福岡高校を擁し、熊谷に至っては選抜高校ラグビーの開催地ともなっている。大会の盛り上がりを考えれば「この2都市の落選はまずい」と日本側が12都市開催を強硬に主張したのだという。

 選ばれた12都市の中で、会場の収容人員が最も多いのは新国立競技場の約80,000人で、続いて横浜・日産スタジアムの約72,000人、静岡エコパスタジアムの約50,000人。逆に少ないのは釜石市に建設予定の復興スタジアム約16,000人、レベスタ約22,000人、熊谷ラグビー場約24,000人の順。ただし、釜石には“震災復興の象徴”としての役割がある。大阪と並んで“ラグビー王国”と言われる福岡だが、会場の収容人員に対するWR側の目は思いのほかシビアだったわけだ。

 そのレベスタにしても、トップリーグや大学選手権などのラグビーの有料試合では、観客席はガラガラという状態が続いている。私が調べた限りでは、今シーズンで最も観客が多かった試合は今年1月11日のトップリーグ第7節コカ・コーラ対NTTドコモ戦で、約5,000人。スタジアムの4分の1弱が埋まったに過ぎない。これ以外は2,000~3,000人台がざらで、昨年12月14日の大学選手権・法政大対朝日大戦に至ってはわずか1,100人だった(時折みぞれの降る非常に寒い日だったことが大きいとは思うが)。

 WR側がこういった状況をどこまで把握していたかは知らないが、競技の裾野は広くとも観客を集められる街だとは思われなかった可能性はある。

 W杯の入場料は未定だが、収益を上げるには2万円は必要という報道がある。お祭り好きと言われる福岡市民なので、レベスタに日本代表や著名な強豪国が登場するのならば少々高い入場券を買ってでも詰めかけるのではないかと思うが、それ以外のカードとなった場合は果たしてどうだろうか。“ラグビー王国”福岡と言えども、W杯人気盛り上げのためには本腰を入れる必要があると思える。

 もっとも私にしてもラグビー観戦は好きとは言え、高校ラグビー、大学ラグビーに限っての話。トップリーグにはあまり興味がなく、偉そうなことは言えないのだが。写真はレベスタで行われた一昨年の高校ラグビー福岡県大会決勝。

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