10分で終わった議員定数論議

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 福岡市議選(4月3日告示、12日投開票)を前に、市議会の問題を2回連続で取り上げてみたい。前回2011年の選挙では、議員定数が63から62へ、わずか1とは言え削減された。しかし、今回の選挙は62に据え置かれる。議会というものは概ね、行政に対して行財政改革を迫っている。なのに自らの定数削減についてはまったく議論がなかったのだろうかと思い、会議録を調べてみたところ、「議員定数調査特別委員会」という会議が開かれていた。しかし、その中身は恐ろしいほど空虚なものだった。

 議員定数調査特別委員会が開かれたのは昨年11月17日。まず驚いたのは、開会時間が午後2時ちょうどで、閉会が午後2時10分だったことだ。つまり所要時間は、わずか10分。これだけで会議の程度が知れるが、中身もその期待を裏切らない。

 委員長が「来期の議員の総定数について各派の検討結果はどうか」と報告を求めたのに対し、委員の一人(委員会の会議録は匿名)が「本市の人口増は考慮しながらも、現在の本市の財政状況、他都市における定数据え置きや削減の傾向、市民感情を考慮して現行定数に据え置くことが適当であると考える」と口火を切った。続いて5人の委員が意見を述べたが、すべて回答は「現状通り」。さらに各区の定数配分についても全員がやはり「現状通り」。なるほど10分で会議が終わるはずである。

 しかし、市議選を前に各会派が公表している政策等を見ると、「議員定数の削減」を明確に打ち出している会派もあれば、議会改革諮問会議を設置したうえで「議員定数、議員報酬の在り方を抜本的に見直します」と約束している会派もある。本来ならば、議員定数の問題についてもっと突っ込んだ議論が行われて然るべきだろう。会派内ではひょっとしたら少しは真面目に議論したのかもしれないが、表に出ていないのだからやっていないのも同然。市に対しては行財政改革を迫っても、議会自らが身を切る改革を断行するなど到底不可能だということが良くわかる。

 前回市議選の前、今は崩壊したみんなの党の渡辺代表(当時)が福岡を訪れ、福岡市版のローカルアジェンダ(地域政策課題)をぶち上げたことがあった。その主な中身は、福岡市議定数の2割削減と議員報酬の2割カット。ざっと計算してみたところ、これにより議員報酬と政務活動費だけで約3億5,000万円もの予算が浮く。みんなの党を支持していたわけではないが、コスト面からの議会改革という視点は非常にわかりやすいと思った。

 議員定数削減に対しては、少数意見の切り捨てにつながり、チェック機能も低下するとして反対する意見があるのは承知している。正論だとは思うが、今の市議会が高島市政に対してその役割を果たしているのだろうか。
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