葬り去られる請願80件

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 福岡市議選(4月3日告示、12日投開票)を前に、市議会について三度考えてみた。今度は請願について取り上げたい。あくまでも私が大ざっぱに調べた結果だが、この4年間に福岡市議会に提出された請願のうち、80件以上が継続審査となっている。継続審査の案件は現議員の任期切れと同時に廃案となる。つまり間もなく葬り去られる運命だ。期待を込めて請願を出した市民の失望は大きいことだろう。

 請願とは、市議会のサイトでは「市民が国や地方公共団体等に意見や要望を述べることをいいます。(中略)福岡市議会に提出された請願書は常任委員会などで審査したうえで、本会議で採択か不採択かを決定します」と説明されている。しかし、市議会が2014年1年間に「採択」「不採択」を決めた請願は、わずか5件(採択3件、不採択2件)に過ぎない。定例議会だけでも年4回開かれているのにである。

 昨年12月議会の時点で、実に78件もの請願が積み残されており、12月に受理された6件を含め計84件の判断が先送りされた。議会用語では「閉会中の継続審査に付した」ということらしいが、現議員任期中最後の議会となった今年2~3月の議会でも結局3件に対して結論を出しただけだった(12月議会受理の2件を採択、3月受理の1件を不採択)。

 請願者の中には「人工島関連予算の否決について」といった請願を毎年のように出しては不採択となっている市民団体が存在する。彼らにとっては請願提出など手慣れた作業だろうが、多くの市民にとっては少なからぬ勇気と労力がいる行為のはずであり、そうまでして議会に救いを求めるのは差し迫った課題に直面しているからだろう。しかし、議員たちは真摯に向き合ってくれているのだろうか。こうして見ると、請願の多くは継続審査となり、それは事実上の廃案であることが良くわかる。

 では、どんな請願が継続審査になっているのだろうか。採択、不採択が決まった請願の内容は市議会のサイトで確認できるが、継続審査のまま終わったものに関しては資料が見当たらない。しかし、請願提出自体がニュースになったものが一部あり、その中には「委員会採決時の傍聴を求める」というものがあった。提出したのは、あの「まちこわし大賞」を主催する「福岡・住環境を守る会」で、市議会に透明性を要求したものだ。昨年1月の議会運営委員会で審議され、継続となった。大半の会派は賛成したというが、自民党が異論を唱えたらしい。

 この1件だけで判断するのは乱暴だとは承知しているが、“本音は不採択にしたいのだが、不採択にすると自分たちの見識が疑われかねない”という請願は片端から継続審査にしているのではないか、という疑いを持った。
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