絵馬堂は画廊だった

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 福岡市東区の筥崎宮、香椎宮に行き、絵馬堂を見てきた。最近読んだ『ふくおか歴史散歩』第6巻(福岡市、2000)に「大きな絵馬は、専門絵師が描いたものが多く、観賞画としての一面をもち、絵馬堂は、画廊としての性格をもった。古文書、古記録でわからない『時代の民俗、風俗』を理解するうえでも貴重な資料である」という一節があり、興味を覚えたのだ(上の写真は筥崎宮の絵馬堂)。

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 筥崎宮、香椎宮を選んだのは、いずれも福岡を代表する大きな神社であり、奉納された絵馬も恐らく多いだろうと考えたから。筥崎宮で最初に目に付いたのは、福岡ソフトバンクホークスなどがシーズン開幕前、必勝祈願に訪れた際に奉納した巨大絵馬だった。

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 絵馬堂には多数の絵が掲げられていたが、最も印象的だったのは上の絵。杜子春みたいな人物が白と灰色の2頭の象を連れている。恐らく有名な話の一場面を描いたものとは思うが、それが何かはわからない。白象の表情がいい。

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 博多湾での捕鯨の様子を描いたものと思われる2枚の絵馬も目を引いたが、残念ながら色あせが激しく、内容は良くわからなかった。保存状態が良ければ、まさしく“貴重な民俗・風俗資料”だっただろうと思う。

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 香椎宮に掲げられた絵馬は、筥崎宮よりも数が少なく、さらに保存状態が悪かった。唯一、鮮明だったのが上の絵馬。昭和4年の新嘗祭で献穀斎田に選ばれたことを記念、昭和51年に絵馬を奉納したことが記されている。

 私の小学生時代、地元の神社境内は学校の校庭と並ぶ貴重な遊び場で、土足で上がれる絵馬堂は雨の日のたまり場だった。あの頃によく眺めていた絵馬を民俗・風俗資料と考えたことなどなかったため、先の「絵馬堂は画廊」の一節を読んで“目から鱗”の思いだった。大型絵馬の貴重性に早くから着目し、データベース化を図った研究者によると、県内だけでも約1万点の大型絵馬が各地の神社などに残されているという。しかし、二つの神社を巡っただけだが、前述のように保存状態は万全ではなかった。もともと保存を前提としたものではないのだろうが、少し残念ではあった。
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