遠足はいつも油山だった


 福岡市の城南、早良、南区にまたがる油山に行き、「市民の森」を散策してきた。標高597㍍。いわゆる低山で、しかも中腹近くにある「市民の森」までは車で登ることができる。お手軽な山だと思われがちだが、麓から登山道を通って山頂を目指せば、意外にしんどい。小学生時代、遠足でこの山に良く登ったものだが、当時から標準体重オーバーの私にとっては難行苦行で、遠足の日が近付いてくると憂鬱で仕方がなかった。

 私が通った三つの小学校では、春に歓迎遠足、秋に鍛錬遠足に行くのが恒例で、鍛錬遠足とは即ち登山だった。最近の小学校では鍛錬遠足など行われていないらしいが、私が小学生の頃は、下手すると歓迎遠足まで油山ということさえあった。6年間を振り返っても、社会科見学で北九州市の八幡製鉄所に行った以外は、遠足では山登りばかりしていた気がする。

 油山以外で遠足に行った山は、太宰府、大野城市などにまたがる四王寺山(410㍍)、篠栗町の若杉山(681㍍)、筑紫野、太宰府市の宝満山(830㍍)、朝倉市の古処山(859㍍)、福岡、佐賀県境の脊振山(1,054㍍)等々。一番高い脊振でも1,000㍍を超えた程度だが、宝満山の長い石段、古処山の山頂付近の岩場などはかなりの難所だった。どの山も歴史をたどれば、修験者の修行場だったり、難攻不落とうたわれた山城があったりしたところ。眺望に優れ、見どころは多い。遠足で来る子供たちはいなくなっても、どこも登山客でにぎわっている。

 中でも油山は昭和初期から“市民の憩いの場”として整備が進められ、人気の行楽地となっている。豊かな自然と「油山十六景」と呼ばれる名所・旧跡を抱え、善しあしは別にして市営の観光牧場(油山牧場もーもーらんど)さえ設置されている。こんな場所が市中心部から車で20~30分のところにある。小学生の頃は鍛錬ばかりさせられ、名前を聞くのもうんざりだったが、最近では福岡市の貴重な宝ではないかと思い始めている。この山に遠足で行くのは近隣小学生の特権だったのかもしれない。

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 紅葉の名所、もみじ谷に架かる吊り橋。長さ52㍍、地上からの高さは30㍍。1969年、「市民の森」開設に当たり南区のご夫妻が寄贈し、78年に市が改修したと現地説明板にあった。吊り橋を寄贈するとは豪気だ。

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 春なのに真っ赤に染まっていたカエデ。野村モミジという品種だろうか。一番上の写真は夫婦石展望台から見た福岡市街地。山中に展望台は複数あるが、個人的には夫婦岩と片江展望台からの眺望が特に良いと思う。
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