消えたアカミミガメ

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 福岡市中央区の舞鶴公園のお堀で今年、不思議なほどミシシッピアカミミガメを見掛けない。例年ならば、天気が良い時は多数のカメが水面を泳いでいる時期だが、今年は一帯を散策しても、下手したら1匹も見ない時さえある。きょう5月11日は五つのお堀を巡って相当じっくりカメを探してみたが、5号堀で1匹を見掛けただけだった。いったい何が起きているのだろうか?

 このお堀では名物だったハスが近年激減しており、再生を目論む福岡市はカメの食害が原因だと推測していた。それを確かめるため市は2013年1月から、カメが侵入出来ない囲いの中でハスを育てる実証実験を3号堀、5号堀で行っていた。囲いの中でハスが育ち、外で育たないようならば、カメ犯人説が立証されたことになる。最大の3号堀では囲いの内外でハスの育ち具合に変化はないようだったが、5号堀では目論見通りの結果が得られ、市はこのほど「カメの食害が主要因」との結果を公表した。

 では、ハスをカメから守るために市はどうする考えなのか? 新聞報道等によると、実はまだ決まっておらず、<1>カメを別の場所に移動させる<2>カメ侵入防止のための囲いを広げる――の2案を検討しているという。しかし、<1>については移動先の候補が現実にあるのだろうか。

 固有の生態系を破壊すると悪者扱いされているアカミミガメを放せる場所は、閉じられた環境にある人工の池だけだろう。お堀の隣にあり、現実に多数のカメが生息している大濠公園は有力候補ではないかと考えたが、行政自ら特定外来生物候補を放ったのでは批判は必至。かといって動物園等に大きな専用池を造ったのでは金が掛かる。最も簡単な解決策はカメを駆除することであり、それが福岡市の本音ではないかとも思える。

 ここで本題に戻るが、今年カメをあまり見掛けない理由は何だろうか。ひょっとしたら密かに駆除が行われたのではないかとも想像したが、お堀は人通りの多い大通りに面しており、人知れず駆除するなど現実的には不可能だろう。だとしたら、自然にカメが減ったということになるが、それらしき原因がまったく思い浮かばない。

 強いて挙げれば、5号堀では囲いの中以外ではハスが育っていないため、ここには餌がなく、生息できない環境になったとは考えられる。ただ、5号堀と水路でつながっている4号堀ではハス(種類は違う)が繁茂している。カメたちはここに移動してきても良さそうだが、それらしき気配はない。1~3号堀に至ってはハスが水面を埋め尽くしており、餌は十分のはずだ。カメとともに、お堀の主要な生き物であるコイは相変わらずウヨウヨしているので、水質が特に悪化したわけでもないだろう。

 以下は勝手な憶測だ。ハスをカメが食べていたのは事実かも知れないが、それが主要な餌ではなかったのではないだろうか。では、何がメインの餌かと問われれば、考えられるのは人間からもらう食べ物だ。例えば、5号堀では毎夕、カメに大量のキャベツを与えていた男性がいた。いつも20匹前後のカメがキャベツに群がっていたが、この男性を昨年から見掛けなくなった。こじつけかもしれないが、男性が現れなくなった頃からカメの数が減っていったような気がする。

 以前にも書いたが、このお堀で常時見掛けるのは大きなカメたちだけだ。初夏には誕生したばかりと思われる子亀を見掛けることは確かにあるが、これが育っているのならば、様々なサイズのカメが生息しているはずだ。しかし、現実には違う。このお堀は本来、カメが生息できる環境ではなく、それでも生き延びてきたのは人間が餌を与えてきたためではないだろうか。あちこちの公園で暮らしている野良猫(地域猫)たちと状況は同じだと思える。わざわざ移動したり、駆除したりしなくてもカメの数をコントロールする方策が別にある気がする。
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