百道浜沖の海底埋め戻し

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 福岡市早良区百道浜沖の博多湾に作業船が浮かんでいる。数年前にも浮かんでいた。浚渫でもやっているのだろうと思い、格別気にも留めていなかったが、最近になって作業に関する説明板が百道浜の海岸に設置された。浚渫とはまったく逆で、湾内にあるくぼ地の埋め戻し作業だという。

 看板によると、くぼ地が出来たのは昭和50年代後半の埋め立ての際、海底の砂を採取したためで、百道浜沖と西区愛宕浜沖の2ヶ所にある。一帯の水深は6㍍程度だが、くぼ地は13㍍。ここでは夏場、貧酸素塊が発生し、湾内の環境に悪影響を与えることがある。埋め戻しはそれを防ぐためで、濁りが広がらないように作業船から海底に向かって管を伸ばし、ゆっくりと土砂を投入しているという。埋め戻しに使われているのは、博多湾東部に浮かぶ人工島航路の浚渫土砂。発注者は九州地方整備局の博多港湾・空港整備事務所、つまり国の事業だ。

 くぼ地で貧酸素塊が発生するメカニズムがわからなかったため、ざっと調べてみたところ、くぼ地では海水が滞留し、プランクトンの死骸など有機物が堆積しやすくなる。バクテリアがこれらを分解する際、大量に酸素を消費するため貧酸素塊が発生するということらしい。貧酸素塊ができれば、海洋生物の大量死が起きかねない。結構、深刻な問題なわけだ。

 昭和50年代後半の埋め立てとは、要するに福岡市や第三セクターの博多港開発によって進められた百道浜(138㌶)と愛宕浜(74㌶)の建設事業のことだ。土地を造るために海砂を取り、今度はそのくぼ地を、恐らくは巨費を投じて埋め戻している。典型的なマッチポンプ事業に思えるが、百道浜、愛宕浜の埋め立て当時、海底の土砂採取が湾の環境悪化を招くとは予想出来なかったのだろうか。

 ところで、九州地方整備局の発表資料などによると、この埋め戻しの事業期間は2011~13年度の3年間となっている。今年になって再び行われているのは、なぜなのか。人工島航路の浚渫が必要になり、その土砂を有効利用するといった理屈のようだが、要するに以前の埋め戻しでは完全に元通りにはならなかったということだろう。2011年当時の資料によると、くぼ地のサイズは百道浜沖が165万立方㍍、愛宕浜沖が285万立方㍍だったという。月並みな例えをすると、ヤフオクドームの容積が176万立方㍍らしいので、ドーム2.5杯分のくぼ地が存在したことになる。

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