R18指定の浮世絵展


 福岡市美術館で8月8日から9月20日まで、『肉筆浮世絵の世界』という特別展が開かれる。この展示会を巡り、少し興味深い話を聞いた。約170点が展示される予定だが、この中に30点程の春画が含まれる。会期は一部夏休みとも重なるため、小中高校生の入場も予想されるが、春画だけは別室に展示し、子供たちの入場を制限するというのだ。

 春画とは言え、世界で評価される浮世絵。映画で言えば、R18指定とは少々大げさな気もするが、福岡県の青少年育成条例に「青少年の性的感情を刺激し、その健全な育成を阻害するおそれがあるもの」を販売したり、見せたりしてはいけないという規定があり、これに触れるためらしい。展示会の図録も本編と春画編に分け、春画編については18歳未満への販売を規制する方針だという。

 ここまでするのならば、春画を無理に展示する必要があるのか、と思わないでもないが、浮世絵を取り上げる以上は無視するわけにはいかないという考えなのだろう。批判や疑問の声が上がるのは覚悟のうえでの開催らしい。

 話は変わるが、この福岡市美術館は評価額6億円の絵画を所蔵しているという。美術愛好家の間では常識らしいが、恥ずかしながら絵画にも彫刻にもまったく関心がないため、たまたま読んだ市の発表資料で初めて知った。絵画の世界ではオークションで数十億円、あるいは数百億円で落札されるケースもある。6億円という価格は特筆するほどではないかもしれないが、地元の公立美術館にそんなお宝があるとは予想外だった。

 その6億円絵画とはサルバドール・ダリの『ポルト・リガトの聖母』(1950)で、常設展示されている。幅2㍍、高さは3㍍近い大作。福岡市美術館公式サイト内にある収蔵品紹介ページによると、ダリがこの絵を描くきっかけなったのは原爆投下だったという。

 福岡市美術館が『ポルト・リガトの聖母』を購入したのは約20年前の1996年。購入価格は5億6,000万円で、当時、地元では大変な話題になったらしい(この頃は福岡市外に住んでいたので、まったく知らなかった)。現在の市の評価額とは4,000万円の開きがあるが、20年の間にさらに価値が上がったのだろうか。同美術館はこのほか、シャガールやミロ、アンディ・ウォーホルら著名な画家の作品を収蔵している。現代美術に偏ったラインアップだと思ったが、美術館の方針自体が「内外の近・現代美術の収集」だという。
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